先進国のお墨付きで大喜びの韓国だが、本当に先進国になったのか - (한국을 항상 삐딱하게 보는 일본 우익언론의 기사)
先進国のお墨付きで大喜びの韓国だが、本当に先進国になったのか
立花 志音
JB Press
11/7(日) 11:55配信
双竜建設が建てたマリーナベイサンズ。双竜建設はその後、倒産した(写真:Ian Berry/Magnum Photos/アフロ)
10年前に、5歳の息子を連れて夫の故郷である韓国に渡った立花志音氏。息子の成長とともに韓国社会に感じた違和感を綴るコラム。今回は韓国は本当に先進国になったのか。 建設途中のマリーナベイサンズ。かなりの難工事だったことが見て取れる(写真) ◎立花志音氏の過去の原稿は以下をご覧ください。
https://jbpress.ismedia.jp/search/author/(立花 志音:在韓ライター) この夏、韓国は一つの話題に沸いていた。国連貿易開発会議(UNCTAD)が韓国を開発途上国グループから先進国グループに移行したと発表した一件だ。文在寅大統領は「国連加盟国の全会一致で我が国は名実ともに先進国という点が国際的に認められた」とし、「国民も血と汗で成し遂げた誇らしい成果という自負心を持ってほしい」と発言した。 UNCTADは開発途上国の産業化と国際貿易への参加増進を支援するため、1964年に設立された国連傘下機構である。開発途上国から先進国への移行を認めたのは韓国が初めてなのだそうだ。 今さら何が先進国なのだろう。韓国が経済協力開発機構(OECD)に加盟したのは1996年のことで、その頃から先進国扱いになっていたと筆者は勝手に思っていた。 韓国人の友人の話によると、今回の先進国入りはこの国のコロナに対する防疫処置が認められてのことなのだという。 例えば、シンガポールは科学技術が発展した観光大国だが、先進国ではない。だから、韓国はシンガポールより上で、アジアでは日本に次いで2番目に先進国入りを果たしたと、息巻いていた。韓国人は、何の話にでも順位をつけるのが好きな民族だとつくづく思う。 では、我が家の中3の息子はどう考えているのかと食事の時間に聞いてみた。すると答えはこうだった。 「笑っちゃうね、この国のどこが先進国なの? シンガポールの方がよっぽど先進国じゃない? 街もきれいだし。しかもあのホテルを作った会社、倒産したんでしょ。ビルのアフターサービスとかどうしてるんだろうね? ばっくれなの?」 質問が終わる前に被り気味でバサッと切られてしまった。10代は恐ろしく正直である。
マリーナベイサンズを建てたのに倒産した双竜建設 息子が小学1年生の夏休みに、シンガポールへ家族旅行に行ったことがある。そして、シンガポールのランドマークともいえるマリーナベイサンズホテルの展望デッキに上った。 このホテルは、韓国企業のサンヨン建設が工事額6億7000万ドルをかけて建設した。 「世界があきらめた難工事、韓国が成し遂げた」という見出しで始まる2009年7月9日の中央日報には、「既存の工法を利用するのではなく、双竜(サンヨン)建設の独創的なアイデアで難しい工事を終わらせたため、意味もより大きい。高品質の建築物を早期に建て発注元から数百憶ウォンのインセンティブまでもらえることになった」というサンヨン建設の社長談話が出ている。 当初、日本企業を含め世界中の建設会社がマリーナベイサンズホテルの建設に名乗りを上げていたが、設計があまりにも複雑で、日本の建設会社は「安全の保障ができない」ということで入札を辞退した。 このホテルが崩壊するのではないかという都市伝説があるのは、実際にホテルが最大52度も傾いた設計で作られているからである。このような難易度の高い工事であるにもかかわらず、サンヨン建設は4年の予定だった工期を2年3か月に繰り上げて完成させた。 完成した後も、「韓国の高い技術力」をアピールする新聞広告にホテルの写真がたびたび登場していたのを見た。ところが、このサンヨン建設はマリーナベイサンズホテル完成から5年後に倒産してしまった。 戦後、韓国は日韓基本条約に伴う対日請求権資金などを元手に、日本からの技術供与も得て、「日本に追いつけ追い越せ」と短期間で発展した。15年ほど前まで、「日本は先進国でうらやましい」という言葉もよく耳にした。現代の日本人にはあまり理解できない感覚だが、韓国はずっと先進国になりたかったのだ。 筆者の夫は小学生の時、1988年のソウルオリンピックを迎えた。物質的にもだんだん豊かになり、おいしいものがたくさん食べられれば先進国になれると思っていたという。 その夫が、息子と話をしていた食事の席でこういった。「一生懸命働いて、勉強もして、グローバル化して、見かけは先進国になったのかもしれないけど、中身は朝鮮時代から変わってないからね」 21世紀を迎えて久しいが、韓国人はいまだ近代化もされていないという厳しい意見である。 この意見は見方によっては非常に的を射ている。
「近代」を体験せず技術だけが発展した韓国 日本は明治維新後、富国強兵を目指して努力した。国が富めるためには国民の学力向上が必要だと近代学校制度を定めた。欧米列強に経済的に対抗するために殖産興業が推進された。留学生を派遣したり欧米の技術者を招いたりと、積極的に西洋技術を学んだ。留学生たちは、国民が汗水流して働いた税金で自分が海外に派遣されていることを自覚していた。 そして帰国後、彼らは国内で高等教育を受けた人々と共に西洋技術の普及に努める。日本人は日本人の意思で自国を近代化したのだ。 対して韓国は、自国の意思で国家が動き始めたのは朝鮮戦争後の最近のことである。 明治維新後、日本は散髪脱刀令が出されてちょんまげは切り落とされ、散切り頭は文明開化の象徴とされた。韓国も朝鮮時代の人々は髪が長かった。というよりも親からもらった体に傷をつけるのは親不孝だという儒教思想の一環で、髪は死ぬまでほぼ切らなかった。それを、日本が占領してきて、無理やり髪を切られ、伝統文化を奪われたというのだ。 一度、息子が小学生の時の担任の先生がその話を振ってきたことがあった。筆者は疑問に思って、現在は皆さん髪が短いが、いつ切るべきだったと思うかと聞いたところ、「韓国人が自ら切ろうと思った時まで待つべきだった」という答えが返ってきた。 韓国で8月15日は「光復節」と呼ばれ、日本の侵略から解放され「独立を勝ち取った日」になっている。しかし、実のところは日本がアメリカに負けたために、国としての所属先がなくなってしまっただけのことである。韓国の意思で独立したわけではない。 朝鮮戦争後、南北に分断された状態が続く中で、韓国人は自国を「世界で唯一の分断国家」と呼ぶ。間違ってはいないのだが、正確には「いまだに終戦していない停戦中の国家」と呼ぶべきではないか。 このように、「近代」と呼ばれた時代は過ぎ去り21世紀を迎えているが、韓国はその時代に学ぶべきだったことを学べずに、技術だけが発展し今日を迎えてしまっているように思う。
■ 自国の立ち位置を把握しない国家は先進国と呼べるか? このグローバル時代において、自国の立ち位置を正確に把握できていない人々が形成する国家を果たして先進国と呼べるのだろうか。 何でも「早く早く」が口癖のせっかちな韓国人は階段を飛ばして上がりたがる。この国の短期間での発展は目を見張るものがあったのは事実だ。しかし飛ばしすぎると事故にあったり、歪みが生じたりするであろう。 韓国が本当に先進国になるためには、もう一度近代化の過程を踏んだ方がいいのではないかと考えるのは筆者だけだろうか。
立花 志音