村上春樹氏がノーベル文学賞を受賞できない理由は?
スウェーデン・アカデミーは9日、2014年のノーベル文学賞を、フランス人作家のパトリック・モディアノ氏に授与すると発表した。日本の作家・村上春樹氏は、またもや受賞を逃した。スウェーデン王立科学院のオフィシャルサイトによると、今年の同賞は210人の候補者がおり、うち36人が初めて候補に入った。うち、中国で最も有名な日本人作家の村上春樹氏は、6年連続で候補に入り、英国のラドブロークスやスウェーデンのユニベットなどの受賞者予想オッズでも、毎年高い人気となっている。新作を出すたびに大ヒットとなっているにもかかわらず、毎年受賞を逃しているのは、なぜなのだろう?文匯報が報じた。
審査委員受けするのはどんな作品?
ノーベル文学賞の審査員に好まれるのはどんな作品なのだろう。毎年、受賞者が発表されるたびに、読者や文学評論家が、その「風向き」を占っている。毎年、受賞者に送られる言葉を見ると、「理想主義」、「人道主義」、「アートに対する熱い思い」、「良識と自由」、「人類文明」などの言葉が頻繁に使われている。
村上春樹氏の作風は、欧米作家の影響を受けており、陽気な基調という見方が一般的だ。日本文化を研究している学者・姜建強氏は、「村上春樹氏の作品は、日本の現実が映し出されておらず、現実の日本に対する熱い思いに欠けている。日本で起きていることは、彼とは何の関係もないように感じる。彼は自分の感覚で、『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』の主人公・多崎つくるや『海辺のカフカ』の主人公・田村カフカを描き出している」と辛口だ。
また、文学評論家の白燁氏も、「ノーベル文学賞は、影響力よりも、作品の文学性に重きを置いている。村上春樹氏の作品はよく売れるが、純文学作品とは一定の距離がある」と指摘している
泥臭さがない?
著名な文学翻訳家・施小煒氏は、「良い作品が売れるというのは、全く矛盾しない」と村上春樹氏を擁護する見方を示す。一方、文学界は、新作を出すたびに大ヒットを記録する村上春樹氏に対して、積極的な見方を示していない。例えば、元東京大学総長の蓮実重彦氏は、「小説を器、言葉を装置、人物をシンボル、読者を消費者にしている。泥臭さやきなくささが感じられない」と、村上春樹氏の作品を批判している。
「流行」と「作品の深み」は、両立できないのだろうか。2012年にノーベル文学賞を受賞した中国人作家の莫言(モーイエン)氏は、「村上春樹氏の作品の中には、評価できる点がたくさんある。現代性や若者が身近に感じることができる作風は、私の作品にはないもの。だから、とても尊敬している」と敬意を示している。
不運も重なる?
「文学的要素」以外に、偶発的な要素も関係している。過去のノーベル文学賞の受賞記録を見ると、2012年に莫言氏が受賞したため、この先数年は、アジアの作家に授与される可能性は低い。また、川端康成氏や大江健三郎氏などが、過去に同賞を受賞しているため、ノーベル賞の「世界のさまざまな民族に」という精神からして、日本人作家が再び受賞する可能性は低い。しかし、同賞を受賞するかどうかに注目が集まり、村上春樹氏の作品が、世界でさらに広く知られるようになっているのも事実だ。(編集KN)
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