「アジア太平洋一体化」でタッグを組む中韓両国
大きな譲歩を迫られる日本
注目の中韓自由貿易協定(FTA)が1日、正式に締結された。中国はこれで、21カ国・地域と13項目の貿易協定を締結した。広州日報が報じた。
アジア・太平洋地域には、大小数十種類の貿易協定があることを鑑み、中国政府は昨年11月に閉幕したAPEC北京会議において、「アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)プロセスを始動することを宣言、「アジアや太平洋諸国を巻き込んだルール」の制定によって、自由貿易協定があまりにも細分化・個別化されている状況を打破しようとした。
中韓自貿易区の創設は、アジア太平洋自由貿易圏戦略の推進にとって、具体的にどのような意義があるのだろうか?また、これによって、中国の立場は、米国が中心に交渉が進むTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に対抗するという意味合いで、どのような変化が生じるのだろうか?専門家に話を聞いた。
〇交渉加速を迫られる日本
記者:中韓自由貿易区の創設は、中日韓自由貿易区やRCEP(東アジア地域包括的経済連携)交渉を加速させるのか?
陳鳳英氏(中国現代国際関係研究院世界経済研究所所長):「中韓自由貿易区の創設は、中日韓自由貿易区交渉の進展において、日本に加速を迫る上で有効となり得ると思う。中日韓自由貿易区交渉は、日本が多くの項目で開放を拒んでいることから、2013年以降停滞している。このため、中韓両国だけで話が進んだのだ。中韓自由貿易区の創設は、模範としての意味合いがある。日本と韓国は、中国市場において、同じような競争を行っているが、現時点では韓国が先を行っている。一方、中日関係は改善の方向に進んでおり、日本も中国人観光客による訪日ショッピング旅行で多大な利益を得ている。よって、日本がこのまま何もせず傍観を続けることはありえない。日本は焦燥感を抱き、中韓自由貿易区のモデルを参考として、さらなる譲歩を覚悟した上で、交渉を進めるであろう。
中韓自由貿易区の創設がRCEP交渉に及ぼす影響は、それほど直接的なものではない。効果としては、同じように模範的な役割に留まり、のちに、RCEPがより高い基準・レベルの協定となる上で役立つと見られる。
中国商務部(省)国際貿易経済協力研究院の梅新育・研究院は、「中韓自由貿易区は、中日韓自由貿易区交渉に対し、有る程度の刺激・促進作用を及ぼすだろう。だが、RECP交渉に対する影響はほぼ皆無と思われる」との見方を示した。
〇模範的意義は小さい
記者:中韓自由貿易区はアジア太平洋自由貿易圏の実現を推進する上で、重要な意味合いを持つのだろうか?
梅新育氏:(アジア太平洋自由貿易圏交渉は)あまりにもプロセスが煩雑であるため、影響はほとんど受けないであろう。中韓両国の経済発展レベルはほぼ同じで、アジア太平洋自由貿易圏構成国の経済発展レベルとの格差は極めて大きい。したがって、中韓自由貿易区が模範的な役割を果たすとは考えられない。
中韓自由貿易区の主な経済的意義は、中国エリア全体の経済一体化戦略における地位にある。中国エリアの経済一体化戦略は、同心円的拡大戦略であり、その中心は、大陸部および香港・マカオ・台湾を含む中国全体だ。最も内側にある円は、中国―ASEAN自由貿易区と中日・中韓自由貿易区で、外側にはAPECがある。RECEは今後、内側から2番目の円になり、アジア太平洋自由貿易圏とAPECはもう一つ外側の3番目の円になると予想される。
陳鳳英氏:中韓自由貿易区は、アジア太平洋自由貿易圏の最終的な建設の実現を推進するだろう。中韓両国がハイレベルの貿易協定を取り交わし、さらに年内の交渉成立が見込まれるTPPとRCEP、これらはいずれも、貴重な模範となり得る。これにより、アジア太平洋自由貿易圏の建設実現の可能性がより鮮明になり、実現へのプロセスもいっそう加速するだろう。
〇TPPへの影響は有限
記者:中韓自由貿易区の創設後、中国は米国主導のTPP交渉に対する立場には、どのような変化が見込まれるか?
陳鳳英氏:米国は来年、総選挙を控えている。TPP交渉が年内にまとまらなければ、来年はさらに厳しさを増すであろう。TPP交渉が成立した場合、中国にもある程度の影響が及ぶであろうが、それほど大きなものではない。中国は自分たちの予定で忙しい。RCEP交渉の年内達成のほか、中日韓三国交渉、「1ベルト1ロード」構築、アジアインフラ投資銀行(AIIB)など、やるべきことが山積みだ。今後2、3年、中国は多忙を極めると予想されることから、TPP交渉による影響などに構ってはいられない。どのような機制やルールであるかに関係なく、各国は全て、アジア太平洋の経済グローバル化という目標に向かってまい進している。手段はそれぞれ異なるが、目指す結果は同じで、だれが最も良いやり方をするかということが重要だ。中国は、自分たちが出した提案を、ひとつずつ着実に実施するだけで十分である。
梅新育氏:中国は今、TPPに対して開放的な立場を取っており、中韓自由貿易区の創設に影響が及ぶことはあり得ない。(編集KM)
「人民網日本語版」2015年6月8日
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