韓国軍、平時でも4日に1人が死亡 戦う前に〝自壊〟現象 徴兵制撤廃論議も
戦争でもないのに韓国軍の死者は4日に1人-。こんなデータが国政監査資料によって明らかになった。圧倒的に多い原因は自殺だ。韓国紙、中央日報(電子版)が報じた。北朝鮮が弾道ミサイル発射や核実験で脅威を高めるなか、戦う以前に〝自壊〟が進む軍の体質に憂慮の声が出ている。
中央日報(日本語版)によると、2012年から今年上半期までに発生した軍隊内の事件や事故による死者は476人だった。
自殺は311人と6割超にぼり、原因別の1位。次いで交通事故が53人で、墜落死が23人、溺死16人などとなっている。
資料が示すデータについて国会法制司法委員会の朴柱民議員(共に民主党)は「国を守るための人たちが命を失うケースが絶えず続いている」とし、徹底した対応の必要性を強調した。
韓国軍内で自殺が多発する背景として、自由な生活を享受する若者の軍隊生活への不適応が指摘されている。徴兵制のある韓国では適正の有無にかかわらず、一定の軍役が義務とされているからだ。国防大学の心理学専門家は韓国メディアに対し「対人関係が未熟で小さな要因でも意気消沈しやすい」性格だと、「軍生活はうつ病や憂鬱観を深めさせる」と指摘している。
また軍隊内のいじめにより、若い兵士が”暴発”するケースも起きている。2014年には北朝鮮に面した北東部の最前線で22歳の兵士が乱射して5人を殺害する事件が発生。部隊内でのいじめが原因とされる。2005年にも京畿道の前線部隊で、いじめが原因とみられる乱射で8人が死亡した。
こうしたなか来年末に大統領選挙を控えた韓国では、徴兵制にかわる志願制導入の論議も活発化している。朝鮮日報によると韓民求国防相は今月、国会で、志願制に関して答弁。北朝鮮の兵力規模120万人に対し、必要とされる最低約50万人の常備兵力が維持できるかどうかについて「真剣に考える必要がある」と答弁。「それなしに志願制導入は本末転倒だ」として否定的な見解を示した。
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