中国の北極白書 権益拡大の動きを警戒したい
海洋強国化の一環として、北極海でも影響力拡大を目指す姿勢が明確になったと言えよう。
中国の習近平政権が、北極政策に関する初の白書を発表した。
北極圏に領海や領土を持たない域外国でも「活動の権利と自由がある」と主張し、幅広い分野で関与を強める方針を示した。
北極海を通る航路を「氷上シルクロード」と呼び、開発と利用を進めると強調した。陸と海のシルクロードからなる巨大経済圏構想「一帯一路」と結びつけて各国に参加を呼びかけた。
中国は「一帯一路」で、港湾や鉄道などのインフラ整備や投資を積極的に行い、存在感を高めてきた。軍事拠点確保の狙いもあるとされる。南シナ海や東シナ海では「法の支配」に基づく海洋秩序を蔑ろにしてきた。
北極での動きを関係国が警戒するのは当然だろう。
北極海は地球温暖化による氷の減少で、航行可能な海域が増えた。日欧間の距離は、スエズ運河経由に比べて約6割になる。天然ガスや石油など豊富な資源の存在も指摘される。経済、安全保障両面で重要性が増している。
問題なのは、各国の利害が交錯する中で、国際ルールが確立していないことだ。領有権主張の凍結や平和利用を定めた南極条約のような取り決めはない。
米露両国やカナダ、フィンランド、デンマークなど北極圏8か国は「北極評議会」を構成し、権益を事実上独占してきた。
ロシアは北極圏での国益確保を軍事上の優先課題に位置付ける。事故防止を名目に、北極海を航行する船舶に露砕氷船の同行を義務づける独自のルールで料金を徴収し、経済的利益も得ている。
日本や中国、韓国などの非沿岸国は、2013年に「評議会」へのオブザーバー参加が認められたが、議決権はない。沿岸国の排他的な動きに歯止めをかけ、北極の自由で安定した利用を確保することが肝要である。
日本は、15年に北極でのルール作りへの貢献をうたった北極政策をまとめている。
中国が近年、大型砕氷船による北極海横断やフィンランドなど沿岸国との連携を推進してきたのと比べ、出遅れは否めない。
北極海航路の利用が活発化した場合、中国の艦船が宗谷、津軽、対馬海峡を通過する機会が増えよう。日本の安全保障への影響は計り知れない。政府は戦略を強化しなければなるまい。
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