石原慎太郎逝去で4兄弟を待ち受ける「とてつもない相続問題」
田園調布の自宅、絵画、株など資産の行方に国税庁も興味津々
Friday Digital
2022年02月15日
昭和の大作家が溺愛した4人の息子たちは、「金持ち喧嘩せず」で物事を進められるのか――。
1日に逝去した、作家で元東京都知事の石原慎太郎氏(享年89)の告別式が5日、田園調布(大田区)の自宅で営まれた。慎太郎氏の遠縁にあたる小泉純一郎元首相ら20人が参列した密葬では、午後3時過ぎに伸晃(のぶてる)氏、良純氏、宏高氏、延啓(のぶひろ)氏の4兄弟らが、棺(ひつぎ)を霊柩車へと運び込んだ。最後、4人は玄関前で一列に並び、長男の伸晃氏があいさつをして、家族葬は終えられた。
生前に話し合いはあったのか.
父を失った石原家にのしかかってくる問題が、慎太郎氏の遺産をどう相続するか、である。『「NO(ノー)」と言える日本―新日米関係の方策―』『弟』といったミリオンセラーを世に放ち、環境庁長官や運輸大臣など政界の要職を歴任した慎太郎氏が遺した資産は、どう見積もっても数億円はくだらない。
「典子夫人と共同名義で所有していた田園調布の自宅は、土地だけでも評価額がおよそ3億円にのぼります。また、’14年に売却した逗子の別荘も、売却価格は約3億円と推定されます。都知事時代の年間3000万円以上の所得や1億円超えの退職手当からも推察するに、現金や株などの金融資産も相当額持っていたと考えるのが自然です。そのほか、所有していた高額な絵画や美術品の行方もどうなるか、注目が集まるところです」(全国紙文化部デスク)
仮に慎太郎氏からの法定相続分が10億円あったと計算した場合、石原4兄弟はそれぞれ数千万円単位の相続税を納めなければならないケースも出てくる。はたして相続がクリーンに進んでいくのか、その顛末に国税が目を光らせているのは間違いないだろう。
元国税調査官で税理士の松嶋洋氏は次のように言う。
「一族の知名度と想定される資産規模から言って、国税局が石原家の相続調査に入る可能性は高いでしょう。’16年に衆議院議員の鳩山邦夫氏が亡くなった際、7億円の申告漏れが見つかり、遺族に推定2億円超えの追徴課税がありました。土地評価額の計算誤りや親族の名義になっている財産がないかなど、実際の相続財産が大きければ国税も深掘りしてくるはずです。遺言を残すなど、生前にどこまで話し合っていたかも重要になります」
石原家の「死後の手続き」は、かなり大掛かりなものになりそうだ。
『FRIDAY』2022年2月25日号より
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