演歌の源流は朝鮮半島にあるという話がある。とくに一世を風靡した古賀メロディについてそう言われる。たしかに古賀政男は朝鮮半島で育った人ではあるが、源流とまで言うのは、かなり疑問である。朝鮮民?は、日本でも有名な「アリラン」や「トラジ」をはじめ、すべて3拍子だといってよい。これに?して日本民?は2拍子か4拍子で、3拍子の曲はほとんどない。有名なところでは「五木の子守唄」が唯一の例外だが、これには熊本城主であった加藤?正が朝鮮から連れ?った人?の影響が考えられている。なお、中?の民?にも3拍子はほとんどないとのことである。 3拍子といっても、西洋音?にあてはめればそう言えるということで、正調の民?のリズムはかなり?特なもののようである。しかし、手拍子を打つときには「チャッ?チャッ?クン」と3拍子で打ち、日本民?にはない躍動感が感じられる。こう見てくると、やはり演歌の源流は日本??にあると考えられる。ただ、古賀政男が少年時代を過ごしたころの植民地朝鮮では日本の音?が?まり、その哀調が亡?の悲しみと重なって、朝鮮流に消化されていたということはあったようである。古賀政男も、その情?だけは日本に持ちかえったといえるのかも知れない。もっとも、日本のものが何でも受け入れられたわけではなく、東京音頭にはじまる音頭ブ?ムは朝鮮ではさっぱりで、むしろ、朝鮮?統の3拍子に基づく新民?ブ?ムが起こっていた。 ソウル?オリンピックで表彰のたびに流されたことがあり、スポ?ツで南北が統一チ?ムを組んだときには?歌の代わりとされる「アリラン」も、?はそのころの新民?の一つで、映?の主題歌として作られた。しかし、「アリラン」と題する民?は、朝鮮全土で古くから歌われてきた。そのメロディは地域によってさまざまで、それぞれ「珍島(チンド)アリラン」とか「密陽(ミリャン)アリラン」という具合に地名を冠して呼ばれる。 演歌の起源が日本だとしても、今日の韓?演歌には日本の演歌にない味があり、韓?の歌手が日本でも?れていることは周知の通りである。チョ??ヨンピル(趙容弼)の歌った「釜山港へ?れ」という歌は、日本では?人同士の別れを歌う歌詞となっており、カラオケビデオではチマチョゴリ姿の女性が波止場にたたずむ映像が出てくる。しかし、原詩はつぎのような?容である。「花?く冬柏島に春は?たけれど、兄弟が歸った釜山港にはかもめだけが悲しく鳴いている。五六島へ歸って行く連絡船のたびに、身をよじって呼んでみても?えのないわが兄弟よ。?れ、釜山港へ、?かしい兄弟よ」というものである。 韓國第二の大都市である釜山は日本との交流の中で?展してきた町である。江?時代にも「倭館」という日本人町があった。鎖?下でそこへ行くことが許されたのは?馬藩の人だけである。對馬藩を通じた日朝貿易は、長崎での貿易(大半は中?との貿易で、オランダ貿易の比率は一般に思われているより低い)をはるかにしのぐ規模で行われた。そして、日本が朝鮮を支配したことによって、大都市となる基盤が築かれたという皮肉な?史を負った町である。 | |||
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