歷史

盧武鉉前大統領 疑惑の中での尋常ならざる死

이강기 2015. 9. 17. 18:28

盧武鉉前大統領 疑惑の中での尋常ならざる死

5月24日付・読売新聞社説)

 疑惑の渦中にあった韓国の前国家元首の尋常ならざる死である。

 盧武鉉前大統領が、自宅付近の山を登山中、転落して死亡した。側近によると、遺書があり、自殺だったという。

 盧武鉉氏は、収賄容疑で最高検察庁の事情聴取を受け、近く在宅起訴されるのではないかと見られていた。夫人と、実兄の娘婿が有力後援者から計600万ドル(約6億円)の外貨を受け取った疑惑に直接関与したとの疑いである。

 その最中の突然の死だ。収賄疑惑が関係したに違いあるまい。パソコンに打ち込まれていたという遺書に、「私のせいで人々が受けた苦痛はあまりにも大きい」「小さな石碑を残してほしい」など、心情がつづられていたようだ。

 それにしても、なぜ命を絶たなければならなかったのか。

 盧武鉉氏は、先月末の10時間に及ぶ事情聴取の際、「カネの授受を知らなかった」と述べて収賄容疑を否定したとされる。

 検察当局は前大統領の死を受けて捜査の打ち切りを決め、盧武鉉氏にかけられた疑惑の全容は解明されずに終わることになった。

 だが、どうにも説明のつかない不明朗な巨額のカネを家族が受け取った事実は残る。

 人権派の弁護士で能弁家で知られた盧武鉉氏も、家族の罪状までは弁解のしようがなかったろう。面目なさと後ろめたさにさいなまれ、精神的に相当追い込まれていたのかもしれない。

 盧武鉉氏の悲劇は、韓国の“政治文化”の所産とも言える。

 大統領に強大な権力が集中するシステムのもと、私利私欲を求める勢力が地縁血縁を利用して大統領周辺に近づき、家族、側近たちもカネまみれになる醜態が、歴代政権で繰り返されてきた。

 清廉潔白を標榜(ひょうぼう)した左派政権も例外ではなかった。

 こうした文化をどこまで是正できるかが、保守派の李明博政権には問われている。

 盧武鉉前政権の時代、日韓関係は、歴史認識や竹島問題で冷え込み、首脳同士のシャトル外交もストップした。

 当時、韓国は一方的な北朝鮮支援に傾く融和政策に固執し、そのため日本や米国との安全保障関係はぎくしゃくした。

 政権交代で登場した李政権は、北朝鮮の核開発に厳しい態度で臨み、日米韓連携が再構築されてきている。

 盧武鉉氏の死は、時代の変化を象徴するようにも映る。

2009年5月24日01時33分  読売新聞)