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外国語映画史上初の快挙『パラサイト 半地下の家族』の逆転勝利はなぜ起きたのか

이강기 2020. 2. 10. 22:43

外国語映画史上初の快挙『パラサイト 半地下の家族』の逆転勝利はなぜ起きたのか

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2020. 2.10


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歴史が変わった。


可能性が高かったとはいえ、韓国映画の『パラサイト 半地下の家族』が作品賞ほか4部門で受賞。外国語映画として初の作品賞という授賞式のクライマックスは、92回を重ねたアメリカのアカデミー賞の歴史でも、じつに新鮮な光景となった。


作品賞の逆転勝利は投票方式と関係か

アカデミー賞授賞式には「流れ」があり、脚本賞、国際長編映画賞、そして監督賞を受賞した『パラサイト 半地下の家族』は、その流れに乗って作品賞を取った感がある。当初、作品賞の本命は『1917 命をかけた伝令』だった。投票者が重なり、結果が同じになることが多い、PGA(全米製作者連盟)で長編作品賞、英国アカデミー賞で作品賞を受賞していたので、『パラサイト 半地下の家族』は本命を破った逆転勝利とも言える。


この逆転は、想定もされていた。アカデミー賞は、作品賞のみ、会員がノミネート作品の順位をつけて投票する。それゆえに予想を覆す結果となることも多く、3年前の作品賞本命だった『ラ・ラ・ランド』が、最後の最後に『ムーンライト』に輝いたのが好例。ここ数年、かつての『タイタニック』のように「一人勝ち」の傾向が少なくなったアカデミー賞なので、僅差の作品賞争いになっていることも逆転の可能性を高くしている。また、作品賞と監督賞が一致したり、そうでなかったりするのも近年傾向で、昨年は作品賞が『グリーンブック』で監督賞が『ROMA/ローマ』、一昨年は両方とも『シェイプ・オブ・ウォーター』、3年前は作品賞が『ムーンライト』で監督賞が『ラ・ラ・ランド』。偶然だが、今年はその「一年置き」の巡り合わせで『パラサイト 半地下の家族』が作品・監督の2冠となった。

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「面白い」と評判の作品が頂点に立つことは異例

実際に『パラサイト 半地下の家族』を観た人なら、その面白さにアカデミー賞の頂点に達したことを納得するだろう。しかし、そうした「面白い」と評判の作品がアカデミー賞の頂点に立つこと自体も、近年では異例。その要因として挙げられるのは、多様性への意識でもある。ノミネートの時点で、白人優位、女性監督の軽視などがささやかれ、その反動がアカデミー会員の投票にも影響を与えると言われていた。韓国映画の『パラサイト 半地下の家族』に多様性へのアピールを込めた会員も多かったかもしれない。


授賞式では、監督賞を受賞したポン・ジュノが、マーティン・スコセッシやクエンティン・タランティーノへの愛のあるスピーチで会場全体を幸せな空気で包みこんだ。その温かな空気が、作品賞を讃える喝采にスムーズにつながったことも強く感じられた。ハリウッドの映画人が、多様性どうこうではなく、素直に「映画」として賞賛しているような風景でもあった。


作品賞でのスピーチをみる


ブラピ受賞など演技部門はサプライズゼロの結果

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カンヌ国際映画祭のパルムドール(最高賞)を受賞した作品が、アカデミー賞作品賞につながったのは、1955年の『マーティ』以来という快挙も、『パラサイト 半地下の家族』はなしとげた。その他の有力作は、『1917 命をかけた伝令』、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』、『ジョーカー』、『フォードVSフェラーリ』が、それぞれ2部門受賞と、予想どおりバラける結果となった。


昨年に続き、話題になっていたNetflix作品のアカデミー賞での容認は、やや進まなかったと言える。とくに長編アニメ賞で、『クロース』と『失くした体』という前哨戦のアニー賞を受賞していたNetflixの2作品が逃したのは残念だった。


その他の部門は、全体的に想定内の結果。とくに注目の的である演技賞の4部門で、サプライズはゼロだった。その分、受賞確実だった4人はスピーチを入念に考えていたはずだが、助演女優賞のローラ・ダーン以外は、期待はずれではなかったか。助演男優賞のブラッド・ピットは軽くまとめた感じで、お茶目な印象でホッコリさせたが、主演男優賞のホアキン・フェニックスは伝えたいことがまとまっておらず、主演女優賞のレネー・ゼルウィガーは当たり障りのない内容で、ともに冗長なだけの印象。授賞式のクライマックスとして不満に感じた人も多かったはずだ。世界中に影響を与えるアカデミー賞なので、もう少し何かのインパクトや感動を期待してしまうのである。


助演女優賞のローラ・ダーンのスピーチを読む
助演男優賞のブラッド・ピットのスピーチを読む
主演男優賞のホアキン・フェニックスのスピーチを読む
主演女優賞のレネー・ゼルウィガーのスピーチを読む

『パラサイト 半地下の家族』のヒットは確実

授賞式全体では、2年連続の司会者不在は早くも定着したようであった。例年、式の合間に作品賞を紹介していた時間もカットされ、かなり流れはスムーズ。そして多様性への意識は、オープニングのミュージカルナンバーから鮮明に表れ、シガニー・ウィーバー、ブリー・ラーソン、ガル・ガドットという最強ヒロインを演じた3人のプレゼンターや、作曲賞候補紹介の指揮者など「女性」を強調した演出が目立っていた。ノミネートされなかった女性監督の名前をドレスに入れたナタリー・ポートマンなど、その意識を表面する個人もいた。

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その多様性の象徴が、今年の主役『パラサイト 半地下の家族』で完結したわけである。現在、日本でも100万人突破と右肩上がりのヒットを記録しているので、このアカデミー賞の結果によって、さらなるヒット街道を突き進むのは確実。日本の興行における「アカデミー賞効果」に大きな期待がかかる。そして今後、外国語映画とアカデミー賞との関係も大きく変わっていくかもしれない。Netflixなども、アカデミー賞を狙って世界各国の才能と積極的に手を組む動きを、ますます加速するだろう。

文:斉藤博昭


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