健康管理, 醫學

韓国、シンガ、台湾…スピード最優先で新型コロナ押さえ込み

이강기 2020. 4. 4. 20:54

韓国、シンガ、台湾…スピード最優先で新型コロナ押さえ込み


 新型コロナウイルスの感染拡大がとまらない欧米で韓国やシンガポール、台湾の防疫対策に関心が集まっている。都市封鎖といった強硬な措置を取らずに感染者の急増を押さえ込んできたからだ。過去の感染症での失敗を教訓に、スピードを最優先した取り組みを次々打ち出したことに秘訣(ひけつ)があるようだ。


“攻撃的”検査


 「韓国の対応に学びたい。経験を共有してくれれば、大いに役立つ」


 韓国大統領府によると、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と2日に電話会談した南米コロンビアのドゥケ大統領はこう新型コロナ対策での支援を求めた。文氏は2月下旬以降、16カ国首脳と電話会談したが、韓国を防疫のモデルと指摘する声が多いという。


 イタリアの科学者ら約150人は2日、「韓国のように広範囲で“攻撃的な”検査などで国家システムを停止させずにウイルスを克服すべきだ」と主張する声明を伊紙に掲載した。

 感染拡大が収まらない欧米各国で特に注目されているのが4~6時間で感染の有無を判定できる韓国製診断キットだ。韓国にキットなどの輸出や支援を求める国は100カ国を超える。


 韓国メディアによると、診断キットを製造する企業は1月上旬から開発に着手した。韓国内でまだ1人の感染者も出ていなかった時期だ。これを「緊急使用承認制」が後押しした。1年半かかる許可審査を感染症流行時には2週間に短縮する制度で、対応が後手に回ったと批判された2015年の中東呼吸器症候群(MERS)の感染拡大の経験から17年に導入された。


 この診断キットを武器に韓国では、速やかな検査と感染者の移動経路の徹底追跡を進めていった。4日現在、既に45万人以上が検査を受けた。感染者は1万人以上だが、完治者も6千人を超え、感染者の増加は目に見えて鈍化している。

 “攻めの検診”も特徴だ。感染が急拡大した南東部の大邱(テグ)地域では、検査を担う公衆保健医らのチームが感染が疑われる人の自宅などに自ら出向く移動検診も積極的に行われた。


 車に乗ったまま、検査が受けられる「ドライブスルー式」が話題となり、他の国でも導入が相次いでいるが、歩いて通過し、5分ほどで検査を済ませられる「ウオークスルー式」も登場。ソウルでは3日、競技場の駐車場にテントやコンテナを並べ、大規模なウォークスルー式診療所が開設された。韓国は大半の国・地域に対して入国禁止を取っていないが、海外からの入国者を対象に1日最大千人の検査が可能だという。


 大邱などでは迅速な検査で感染者が次々確認されたことで、病床不足が問題となった。病床に空きがなく自宅に待機していた患者の死亡も起きた。そこであみ出されたのが、公的や民間の研修施設を一部改装して「生活治療センター」と称し、軽症者や症状がない感染者を受け入れる仕組みだ。症状によって患者を選別し、入院していた軽症者らをこのセンターに移すことで、優先的に治療が必要な人のための病床を確保することができたのだ。

 やみくもに検査して感染者が急増すれば、医療崩壊につながるとの懸念も指摘される中、「トリアージ」と呼ばれる重症度に応じた患者の選別がますます重要となっている。(ソウル 桜井紀雄)




積極的な情報発信


 シンガポールは3日までに新型コロナウイルスに1114人が感染し5人が死亡したが、他国の増加ペースと比べ、拡大を押さえ込んでいるといえる。強制力を伴う迅速な対策や積極的な情報発信が奏功した形だ。


 政府は2月1日には、世界に先駆けて中国本土に滞在した人の入国を原則として禁止。水際対策を強化した。2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)の流行で33人が死亡した苦い経験を踏まえたという。


 同時に感染者の国籍、年齢、性別、感染者が出た企業名などの詳細の公表に踏み切った。クラスター(感染集団)を公にし、感染ルートの追跡を容易にするためだ。積極的な情報発信は、悪質な偽情報や噂の蔓延(まんえん)を防ぐ狙いもある。


 3月末には集団感染につながる「3密(密閉、密集、密接)」を避けるために感染症対策法を厳格化した。公共の場所で座ったり列を作ったりする場合、他人と1メートル以上の距離を保つことを求めた。違反した場合、罰則も設けている。


 それでも感染経路が特定できないケースが増えており、4月7日から国内の学校や職場を1カ月間閉鎖する。リー・シェンロン首相は3日の演説で「感染拡大を先取りし、断固とした行動を取るべきだと判断した」と話し、迅速な措置の重要性を強調した。(シンガポール 森浩)




マスク外交も展開


 「先手防疫」で新型コロナ対策に成功した台湾の蔡英文政権は、4月になってから被害が深刻な欧米各国に対し、マスク1000万枚を含む医療物資の寄贈を申し出るなど「マスク外交」を展開し始めた。国際社会に台湾の実績をアピールすることで、世界保健機関(WHO)などの国際組織から排除されている現状を打破する狙いがあるとみられる。


 蔡政権は今年1月、中国国内での感染拡大に迅速に対応し、いち早く中国との人的往来を事実上中断したほか、スマートフォンのアプリを利用した方策でマスクの買い占めを防ぐなど防疫体制の構築に力を入れた。4月3日時点の感染者は355人、死者5人と被害を低く抑えている。


 蔡総統は1日の会見で、医療物資の増産に伴い台湾内での「必要な量を確保した」と表明し「いまこそ台湾が国際社会に支援の手を差し伸べるときだ」と各国への人道支援を発表した。(台北 矢板明夫)