北韓, 南北關係

“在日2世”の脱北者が、北朝鮮の「大嘘」を暴く…! 日本から「北朝鮮に送られた人たち」の“生存率”と“現在”を徹底調査した…!

이강기 2022. 11. 23. 15:16

 
 

“在日2世”の脱北者が、北朝鮮の「大嘘」を暴く…! 日本から「北朝鮮に送られた人たち」の“生存率”と“現在”を徹底調査した…!

 

 

1960年代、北朝鮮は「地上の楽園」であるという偽りの宣伝文句で、「北への送還」旋風を巻き起こした。1959年12月14日から1984年まで、93,339人が北へ送還されたが、その多くは「楽園」とは偽りの「地獄」での生活を余儀なくされ、いまも苦しんでいる。

 

では、約9万3千人の北へ送還された在日同胞のうち、現在どれくらいの人々が生存しているのだろうか。この疑問は、「北への送還事業」を知っている多くの人々の関心事である。しかし、現在、北への送還問題の真相解明と解決方法は、歴史の渦の中、露のように消えかけている。

 

そこで在日脱北者である著者は今回、多くの統計からその実態を洗い出す作業を行った。そこから浮かび上がってきた「現実」とは――。

                                       いったい、どれだけ生きているのか photo/gettyimages
 

嘘だらけの「統計」から読み解く!

 

北へ送還された在日同胞93,339人中、現在の生存数を確認するのは、彼らを独裁から救出するための事業を案じるためには、とても重要な基準となるだろう。

 

現在「在日同胞北送事業」はしばらく来て消える夏場の梅雨のように、歳月の流れの中で煙のように消えている。 統計と情報はすべての分野の礎石となる。

 

しかし、北朝鮮というもっとも閉鎖された国家で、現在の「北へ送還された在日同胞」の生存者数を算出することは、かなり難しい。

 

すべてのことが国家秘密に属する北朝鮮において、統計は、有利不利によって数字が改ざんされているため、意味をなさない。

 

まだまだたくさん残っている

簡単な例として、1990年代中盤の「苦難の行軍」によって、数百万の餓死者が出たということは広く知られたことである。

 

正確ではないが、2010年11月に、大韓民国統計庁が国連の人口センサスを基に発表した北朝鮮の人口推計によれば、1996年~2000年の間で、33万人が餓死したとしている。

                                                                  北朝鮮のリアルとは photo/gettyimages

 

年齢から「生存率」を推計する

彼らの生存率を調査することは、今後、彼らの「帰郷」を支援して救出するための、目的と方向性を提示する重要な統計資料として、位置付けることができるだろう。

 

今回、調査として、北への送還60周年関連の主な年表、在日朝鮮人帰還状況一覧表(昭和34.12~41.3)などの資料によって、北への送還回数、出発年月日、帰還人員、帰還総人員などの情報を得ることができた。北への送還当時の年齢が分かれば、現在の生存率を推測できるだろうと考えたわけである。

 

なかなか困難な作業ではあったが、1959年~1984年までの年度別の北への送還統計資料を求めることができたうえ、10年単位での「北への送還」年齢別統計資料に基づき、生存率を算出することができた。

                                       北朝鮮でどう生活しているのか photo/gettyimages
 

日本で得たいくつかの北への送還資料と、韓国統計庁が発表した北朝鮮国民の平均寿命、死亡原因の人口割合によって、現在の生存率を推計した。

 

結論としては、1959年12月から1984年まで、93,339人が北へ送還された。北への送還60周年関連の主な年表、在日朝鮮人帰還状況一覧表、年齢別統計資料、韓国統計庁が発表した北朝鮮国民の平均寿命、北朝鮮の死亡原因などによって、89.1%にあたる88,611人について、概略的に統計を取ることができた

 

「国別」の人数

 

北への送還60周年関連の主な年表によれば、1959年から1984年までは公式的な北への送還記録が残っているが、それ以降、訪問団の形で北へ送還された人々は、記録されなかった。

ゆえに、実際の北への送還者は、93,339人以上いるはずである。

 

1965年に「日韓基本条約」が締結され、その関係で、1968年から1970年までの3年間は、北への送還事業が中断された。

このときにはすでに、在日同胞と日本政府、いや全世界が、北朝鮮が「地上の楽園」であるということは、完全な嘘であることが分かっていた。日本がもう少し、「人道主義的な立場」に立っていたら、自国民を含む「在日同胞」の北への送還を再開することに、反対の意を唱えたはずである。

国籍、性別、年齢別による北への送還統計から、朝鮮人81,962人、中国人7人、日本人6,642人が、北へ送還されたことが分かった。

 

男性:47,888人(54%)、女性40,723人(46%)で、男女比率は大差なかった。

 

 

 

北朝鮮の「平均寿命」

 

韓国統計庁に発表によれば、北朝鮮国民の期待寿命は、男性:67.0歳、女性:73.8歳だ。

 

北への送還が始まった1959年度を基準として、1950年代生まれの人が全員生存しているのならば、数字上では、1950年~1960年生まれ(73~62歳)の生存者数は、23,016人だ。

 

これは、計算上の数字なので、韓国統計庁が発表した北朝鮮国民の平均寿命などから、北へ送還された在日同胞が、北朝鮮で60余年間暮らして、今も生存している可能性を推測してみた。

 

2019年9月、国連傘下のWHO世界保健機構の報告によれば、北朝鮮住民10万人あたり、死者数193人の脳卒中がもっとも多い。その他、新生児感染症をはじめとする感染症、肺疾患、心臓疾患、下痢、マラリア、交通事故、結核、エイズ、肝硬変などがつづいている。

 

もちろん、1990年代の「苦難の行軍」につづき、コロナ19、自然災害、さらに深刻な食糧難といった要因が、北へ送還された在日同胞の生死にも、強く影響を及ぼしたに違いない。

 

「地上の楽園」は「地上の地獄」だった

このような統計資料に基づいて、「北へ送還された在日同胞」が、今までの60余年間の北朝鮮生活に適応して生存できる確率は、約半分だと仮定すれば、その生存者数は、11,508人となる。

 

93,339人の北へ送還された在日同胞のなかで、日本人が6,839人(子供含む)であることから、生存者推計数11,508人の7.3%にあたる、840人あまりの日本人が生存しているといえる。

 

カルカッタで締結された「北への送還」協定によって、1959年12月14日、最初の「北への送還」船が出発してから、63年が過ぎた。

 

北朝鮮は「地上の楽園」と謳って、在日同胞を歓迎したが、歓迎された彼らは、到着したその瞬間から、ここは「地上の地獄」であり、騙されたことがわかったのだった。

 

脱北を試みたり、不平や不満を表すと、政治犯収容所に連行された。

 

言論の自由、居住、移動の自由もなく、生存権まで脅かされた。

 

果てしない「奈落の底」

そんな北朝鮮の本当の姿を、日本にいる親族たちに教えようと、先に北へ送還された者たちは、あらかじめ約束していた方法で、「地上の地獄」の現状を知らせた。

 

先人の犠牲の対価として、日本に残った両親、兄弟、親族らは、彼らに送金し、救援した。

 

当時、日本からの支援なしでは、とても生きられない「地上の地獄」であった。日本から、果てしなく送金を繰り返したが、地獄での人生は、果てしない奈落の底に落ちて行った。

日本の社会でも、「北朝鮮難民救援基金」、「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」、「NO FENCE(北朝鮮の強制収容所をなくすアクションの会)」、「日本人妻自由往来実現運動の会」など、「北へ送還在日同胞」と「北へ送還日本人」のための事業が発足し、活発に活動開始した。

 

しかしながら、「北へ送還された日本人」と「北へ送還された在日同胞」に対する、終わりなき支援事業と訴えてお願いして泣き叫んでも、微動だにしない北朝鮮当局に対して、多くの団体は北朝鮮人権運動に疲れて果て、その活動は徐々に弱体化している。

 

そのうえ、「北へ送還された在日同胞」と「北へ送還された日本人」の生存の見込みも希薄であるという状況が、私たちの勇気をさらに鈍らせている。

 

 

 

「いまも助けを求めている人たち」がいる

 

それでも、母国が日本の「北へ送還された在日同胞」約11,500人と、日本が故郷の「北へ送還された日本人」 約800人は、いまだに北朝鮮という地獄のなかで、助けを求めているのだ。

北朝鮮というもっとも閉鎖された国家から、現在生存している「北へ送還された在日同胞」を救い出すことは、かなり難しいだろう。

 

だが、ひとりの人権が保障されることが、全体の人権も保障されることにつながる。

「北へ送還された在日同胞」と「北へ送還された日本人」の「帰郷」と「自由往来」のために、最後まで一緒に努力してくれることを、心の底から嘆願してやまない。

 

さらに連載記事『「在日2世」だった私が、北朝鮮に騙されて行かされて「地獄の数十年」…“脱北者”が明かす「苦悩」と「悲しい現実」』では、私が実際に体験した北朝鮮の“地獄の現実”についてレポートしよう。