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自爆戦争となるロシアのウクライナ侵攻 プーチンは何を失ったのか

이강기 2022. 12. 20. 12:51

 

自爆戦争となるロシアのウクライナ侵攻 プーチンは何を失ったのか

NewSphere, Dec 15 2022

                              Mikhail Metzel, Sputnik, Kremlin Pool Photo via AP

 

 

 ロシアは2月24日、ウクライナへの軍事侵攻を開始した。これは国際政治的に大きな出来事であり、それ以降、ロシアをめぐる情勢は厳しさを増した。それまで外交・安全保障政策の焦点を中国に当ててきたアメリカのバイデン政権を中心に、欧米諸国は一斉にロシアに対して厳しい姿勢を貫くようになり、ロシアへの制裁を拡大させるだけでなく、ウクライナへの軍事支援を強化した。

 

 侵攻当初、プーチン大統領は短期間のうちに首都キーウを掌握し、ゼレンスキー政権を退陣に追い込み、親ロシア的な傀儡政権を樹立できると考えていた。しかし、プーチン大統領の読みは完全に外れ、最新鋭の武器を最前線でフルに活用するウクライナ軍を前にロシア軍は勢いを失い、戦うロシア兵の士気も徐々に低下していった。プーチン大統領の戦略や野望は今や夢物語と化している。

 

 

◆ロシアの劣勢が顕著になった9月


 プーチン大統領は9月、軍隊経験者などの予備兵を招集するため部分的動員令を発令した。しかし、モスクワやサンクトペテルブルクなどロシア各地では反発する市民と治安部隊との間で衝突が相次ぎ、逮捕者や負傷者が増加するなど、反プーチンの動きが一気に拡大した。20万人以上のロシア人がフィンランドやジョージア、カザフスタンなどに脱出した。

 

 また、プーチン大統領は同月、ウクライナのドネツクとルガンスク、サボリージャとヘルソンの東部・南部4州でロシア編入の是非を問う住民投票を行い、同4州をロシアへ併合する条約に署名した。それ以降、同4州はロシア的には自国領土となったわけだが、セルゲイ・ショイグ国防相は11月、併合したヘルソン州の州都へルソンから軍部隊を撤退させる方針を明らかにした。自ら併合を堂々と宣言したにもかかわらず、併合した地域から軍を撤退させるという動きは同政権にとって大きな政治的痛手になった。

 

 さらに、ロシア軍は最近意図的にウクライナ各地の電力施設などのインフラ施設をミサイル攻撃しており、冬を迎えるウクライナの市民は過剰な節電を余儀なくされている。これも劣勢ロシアの証左となるだろう。

 

 

◆明白になった中国とインドからの「ノー」


 こういった出来事により、これまでロシア非難を避けてきた中国やインドからもロシア離れの動きが顕著になった。9月中旬、侵攻以降初めてプーチン大統領と対面で会談した中国の習国家主席は、ウクライナ問題に話題が移ると終始無言を貫き、プーチン大統領が「中国の我々への疑念を理解している。中国の中立的な立場に感謝する」と伝えた。その後、習国家主席は11月上旬にドイツのショルツ首相と北京で首脳会談を行った際、欧州での核戦力の使用に反対するとの立場を明確にした。また、同月中旬にバイデン大統領と会談した際も、ウクライナでの核兵器使用や威嚇に反対すると表明した。

 

 また、インドのモディ首相は9月にウラジオストクで開催された東方経済フォーラムでプーチン大統領と会談し、「今は戦争や紛争の時代ではない」と初めてウクライナ侵攻を批判し、同月、国連総会の場でインドのジャイシャンカル外相もウクライナ侵攻によって物価高やインフレが生じたと不快感を示した。中国もインドも国益第一主義のもと、今後もロシアとは経済分野を軸に協力を継続していくだろうが、プーチン大統領のウクライナ政策については「ノー」の立場を示していると言える。

 

 

◆ウクライナ侵攻はプーチンによる自爆戦争


 以上のように見ると、プーチン大統領が自ら仕掛けた戦争は、軍事的にも政治的にも経済的にも負の遺産となって同大統領の元に返って来ただけでなく、外交的にはこれまで友好関係にあった国々からも「ノー」を突きつけられる結果となった。この戦争は我々だけでなくプーチン大統領にとっても政治的意義がないのは明白であり、まさにプーチン大統領による自爆戦争とでも表現できるだろう。

 

 

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