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メタスプリジーナの想像図(ネイチャー/AP)

 私たちのご先祖さまの姿は、5億年前、ほんの2インチ(約5センチ)ほどの脊椎(せきつい)動物だったことが最近の研究でわかってきた。それは後にサメやウナギ、その他の魚類になっていく系統に属し、鳥類、爬虫(はちゅう)類、哺乳類にもつながっていた。

 

 この原初期の脊椎動物は「メタスプリジーナ(Metaspriggina)」と名付けられているが、これまでは、形状のはっきりしない化石が2点見つかっていただけだったため、長い間ナゾに包まれていた。ところが最近、科学者たちがメタスプリジーナの完全な化石を大量に掘り当てたのだ。

 

 この件に関する報告は最近の科学誌「ネイチャー」に掲載されている。報告によると、採取された化石群は、原初期脊椎動物の解明にとって注目すべきヒントに満ちており、眼やあごや筋肉などヒトの組織構造の進化を理解するのにも役に立つ。「これで初めて、私たちは原初期脊椎動物がどういうものだったかを知るための明確なベンチマーク(基準)を手に入れたことになる」と、カナダブリティッシュコロンビア大学のサーストン・ラカーリはいう。彼自身は、今回の研究にはタッチしていない。