中國, 韓.中關係

中国人はなぜ日本でトイレの便座を買うのか?

이강기 2015. 10. 18. 08:08

中国人はなぜ日本でトイレの便座を買うのか?

 

人民網日本語版 2015年02月02日10:13
 

 

中国で有名な経済評論家・呉暁波氏が書いた「便座を買うために日本行く」という文章がネット上で熱い議論を巻き起こしている。「メイド・イン・ジャパン」の衰退が中国の多くの人に信じられている。それは、主に世界の電子産業の中でも最もハイレベルかつ最も優良な企業、日本の8大電機メーカー(ソニー、日立、パナソニック、東芝、富士通、NEC、シャープ、三菱)が長年、苦境にあえぎ、輝きを失ったことによる。これと同時に、「メイド・イン・チャイナ」が、徐々に台頭してきて、国内市場のシェアを復活させるのに成功しただけでなく、近年は国内から世界に向けて急速な勢いで進出している。このような逆転傾向の中、中国人の「メイド・イン・ジャパン」の没落に対する見方には、若干他人の災難を見て喜ぶような意味合いが含まれていた。

 

しかし、呉暁波氏の文章には、日本を訪れた中国人が大挙してトイレの便座やドライヤー、セラミック包丁、ステンレスボトル、電動歯磨きなどを争って購入する様子が生き生きとして描かれ、「メイド・イン・チャイナ」が「メイド・イン・ジャパン」を追い越したという一部中国人の幻想を思いがけずにぶち壊してしまった。

 

日本の電子企業の没落は、決して日本製造業の実質的な水準を示しているわけではない。それどころか、日本の製造業は圧倒的な実力を有している。国際連合工業開発機関(UNIDO)が2013年11月にまとめた「2012−13年工業開発報告書」によると、日本の製造業の競争力は世界でトップであり、中国はたったの7位だった。また、2014年の米「フォーチュン」誌に掲載された世界の企業ランキング「フォーチュン・グローバル500」を見ると、ランクインしている中国大陸部の企業は91社で、数の上からは日本の57社を大きく上回っていたが、製造業分野だけを見ると、ランクインしている中国の製造業企業と日本の製造業企業はぞれぞれ36社と29社で、数ではほとんど変わらないと言える。だが中国にとってはきまりが悪いことに、中国の製造業の企業36社のうち4社が同年赤字を計上していた。一方、日本で赤字を計上したのはソニー1社だけだった。

 

次に、日本企業は依然極めて優秀な研究開発能力を有している。欧州委員会が2014年12月に発表した調査研究報告によると、2013年、世界で最も多くの研究開発費を投入している企業2500社のうち、ランクインしている日本企業の数(387社)は、中国の199社を大きく上回っていた。研究開発費を見ると、日本企業387社の研究開発費は総額856億ユーロ(約113兆908億円)で、中国企業199社の研究開発費の4倍にもあたる。

 

「メイド・イン・ジャパン」の特色は決して「規模が大きく何でもそろう」にあるのではなく、「高水準」にある。特に、世界の産業チェーンで使用される素材、部品、設備機器製造などの革新技術や高い付加価値製品の製造分野で、日本は依然として世界のトップレベルにある。iPhoneを例にあげると、現在のiPhone6やiPhone6Plusに使われている約1300の電子部品のうち、約700が「メイド・イン・ジャパン」であり、半数を超えている。このように、2011年に発生した東日本大地震の影響で、日本の部品メーカーの生産供給に問題が発生した時には、このためにiPhone5の発売も延期せざるを得ない状況に陥った。比較すると、中国はすでにまぎれもない製造業大国となって久しいが、いまだに製造業強国にはなれていない。目立つのは工業の基礎製造能力において脆弱で、機械、電子などの分野の重要部品や工程技術においても人材不足で苦しんでいる。

 

第4に、ブランド力と質の高さは、「メイド・イン・ジャパン」の売りになっている。世界ブランド価値実験室が発表した2014年「世界ブランド500社番付」のランキングでは、日本は39ブランド、中国は29ブランドがランクインした。一見すると、この差はあまり大きくないように感じる。しかし、実際は、ランクインした中国のブランドのうちのほとんどが中国中央テレビ(CCTV)、国家電網、工商銀行、中国移動通信などの金融、エネルギー、電気通信のブランドであり、製造業のブランドでランクインしたのはたったの8ブランドしかない。日本の39ブランドのうち、30が製造業のブランドだ。今回、トイレの便座が引き起こした騒動は、この側面を証明している。統計によると、中国は少なくとも3000社の衛生器具メーカーがある。そのうち中・高級市場はこれまでずっと日系や米国系ブランドに占められている。

 

このほか、特筆すべきなのは、日本の製造業が強いのは、少数のいくつかの大企業を有しているだけでなく、規模は小さくても強い中小企業を数多く育ててきたことにも現れている。ニッチ市場で、トップシェアを占めているのも中小企業だ。そして、これが、いわゆる隠れた勝者となっている。2013年に大ブームとなったテレビドラマ「半沢直樹」では、中小企業の経営者である主人公の父親が、自社で研究開発した小さな樹脂のネジにこだわる姿が描かれていた。まさにこういった特殊分野に特化し、模倣されにくい、鮮明な特色を持つ製品を作り上げるぱっとしない中小企業が世界に誇る日本の製造業を支えてきたのだ。中国の中小企業の数は非常に多いが、独特な強みを持った企業はごくわずかしか存在しない。

 

最後に、触れざるを得ないのは、長い失われた時間を過ごしてきた日本の電機メーカーの復活がどうやらすでに始まりつつあることだ。日本の8大電機メーカーを例にあげると、近年不振の続く事業からの撤退やグループ再編などで組織のスリム化を進めるとともに営業コストを削減し、強い分野に力を注いだことで、ソニー以外の7社は、2013年度に黒字を計上した。特に、日立の営業利益は23年ぶりの営業最高益を記録した。これは、日本の製造業が復活の兆しを見せつつあるという縮図でもある。アベノミクスによる為替の円安や、規制改革、積極的な財政政策など一連の措置による刺激の効果もあり、日本の製造業は日本経済復活へのカンフル剤となっている。

 

いわゆる「失われた10年、20年」を経験しても、「メイド・イン・ジャパン」の核心的な強みは決して失われていない。量的な分野では「メイド・イン・チャイナ」が「メイド・イン・ジャパン」を追い越して長くたつが、質的な分野では、「メイド・イン・チャイナ」と「メイド・イン・ジャパン」の間にはまだ大きな開きがあることを我々は認めなければならない。中国人が日本へ行ってトイレの便座を争うように買うという現実の中から、我々が見てとれるのは、日本企業と比較して、「メイド・イン・チャイナ」が欠けている部分は少なくとも3つあるということだ。(1)質が高くない、安くてもよくない(2)技術力に欠けている、研究開発費の投入が足りず、依然拿来主義(外国の良いものを取り入れ自国の発展に役立てる主義)である(3)ブランドの欠如、顧客への誠実さの欠如。

 

ますます多くの中国メーカーが手っ取り早く金を稼ぐという、浮ついた状態から立ち返って、消費者が便座を買うために日本へ行くというむなしい現象が早く終わりを告げることを期待している。(編集MZ)

「人民網日本語版」2015年2月2日