高齢者貧困が生んだ韓国「バッカスおばさん」問題の根深さ…BBC報道「人間の温かみ得るのが容易でない社会」
高齢の韓国人女性が、高齢の男性相手に売春に手を染めているという。英BBC(電子版)が今年6月、その実態を伝えた。女性たちは滋養強壮剤「バッカス」を販売し「バッカスおばさん」と呼ばれ、中には60歳を超えてから売春婦になるケースもある。BBCは、そうした背景に経済成長に伴い、高齢者層の貧困が増えたことと、韓国社会における家庭のありようの変化があると指摘。高齢者たちを、その犠牲者と呼んだ。慰安婦問題の誤った見方を世界に喧伝(けんでん)する前に、自国のこうした人たちを救ってはどうか。
「高齢女性の手にカネを握らせる…すると事が起こる」
BBCによると、ソウル市の宗廟公園周辺は、老人たちが集まる憩いの場だ。その中に高齢の売春婦が約400人いるという。年齢は50~70歳代。バッカスという商品名の滋養強壮剤を販売し、多くて一日5千ウォン(約500円)程度を売る。当然、その程度では十分な生活費は得られない。
BBCが取材したキムさん(71)は自身は売春行為をしていないと否定し、こう証言している。
「高齢の男性が近づいてきて(バッカスを)購入し、(売春を)提案される」
記事では、買春する男性高齢者の声も紹介している。60歳のキムさんはゲラゲラと笑いながら、「私たちは男です。だから、女性には興味津々だ。酒を飲み、女性の手に金を握らせる。そうすると事が起きる」と話し、こう続けた。
「男は女性と関係を持ちたがる。年を取っているかどうか、性的魅力があるかどうかにかかわらず」
さらに81歳の別の男性は、現金をちらつかせながらこう言った。
「ここで恋人を見つけることができる。そこに立っている女性たちだ。お金はあまり持っていないと彼女らは言い、そして私たちは関係を持つ」
男性によると、売春にかかる費用は2万~3万ウォンだが、親しくなるとさらに安くしてくれるという。
超高齢化社会の犠牲者たち
「韓国の祖父母(高齢者)たちは国の経済成長の犠牲者です」
BBCは高齢の女性たちが売春行為に走り、高齢の男性たちがそれに群がるさまを、そう表現した。確かに韓国の高齢者たちは男女にかかわらず、厳しい立場に置かれている。
韓国は2026年に65歳以上の高齢者が20%を超え、「超高齢者社会」を迎えるとされる。しかも、少子高齢化のスピードは日本以上の速さだ。
世界保健機関(WHO)の統計などによると、女性が一生のうちに産む子供の数にあたる「特殊合計出生率」は1・24(11年)。65歳以上の人口の予測をみると、10年が11・1%に対し、2050年は32・8%に拡大する。実に現状の3倍だ。
そのうえ、各層での経済格差は広がる一方で、とくに高齢者の貧困層が置かれた状況は深刻だ。韓国の国民年金研究院が13年4月に公表したデータによると、韓国人の41・91%が公的年金に未加入。老いて頼るべき資金がない人は極めて多い。
さらに、自殺率も高い。中央日報(電子版)によると、経済協力開発機構(OECD)の加盟34カ国のうち、自殺率は1位で、10万人あたり29・1人。2012年のOECDの平均(12・1人)と比べ2倍以上の多さだが、65歳以上の自殺率でみると、10万人あたり81・9人と極端に多い。
これは米国(14・5人)の5・6倍、日本(17・9人)の4・7倍にもあたる。
貧しさにあえぎ、自殺を図り、そうでなければ売春、買春行為などに至る…。韓国社会は高齢者にとって実に住みにくい社会であることは間違いない。
子供に頼るのは愚かだ
ただ、「儒教社会」とされる韓国は、親を敬い、目上の人を大切にする社会ではなかったのか。
中央日報は「父親を他人呼ばわり…訴訟で浮かび上がる韓国の家族像」と題した記事で、親子間の訴訟が続いているが、いずれも「困窮した親が最後に起こす訴訟」とした上で、親たちは教育費に財産をすべてつぎ込み、結婚費用を負担するなど「むやみに子供たちに与えている」と指摘している。
さらに記事の中で、ソウル家庭裁判所の判事はこう述べている。
「父親を『お父さん』と呼ぶ人はほとんどいない」
実際、子供たちは親のことを「さん」付けで呼び、見下しているとした。
BBCは、こうした韓国社会の変わりようについて、経済が発展するうちに、社会、家族の形が変容したと指摘している。
前述の60歳の男性も「私たちの世代は両親に従順だったが、いまの子供たちは違う。言うことを聞かない。子供たちに頼るのは愚かなことだ」と話す。
温かみのない社会
高齢者が犯罪に手を染めるケースは韓国だけでなく、世界規模でも増えているとされる。
日本の内閣府によると、高齢者の刑法犯の検挙数は平成23年で4万8621人。前年とほぼ横ばいだが、13年と比べると検挙人員が約2・4倍、犯罪者率は約2倍となった。約7割が窃盗犯。その背景には経済的な不安や、周囲との接触がなくなったことによる疎外感などが動機になっているとみられている。
ただ、韓国の場合、いわゆる慰安婦問題に関する誤った情報を国をあげて世界に喧伝し続けている。
高齢者の売春行為もまた、韓国社会が抱える歪(ひず)みなのだ。夢中になって働き、子供たちにあらゆるものを与え、そのうえ、「反日」教育を施すことを否定しなかった韓国人の高齢者たち。その人たちが子供たちに見捨てられて、陥る苦境…。BBCは韓国社会に関し、こう皮肉っている。
「経済成長を成し遂げた高齢者たちにとって、食事は高価で、性行為は安い。いかなる代価を支払っても、人間の温かみは得るのは容易ではない」
'社會' 카테고리의 다른 글
反개혁 ‘슈퍼 甲’ 대한민국 대학교수 폴리페서, 텔레페서, 커미션페서… (0) | 2015.11.03 |
---|---|
BBC 방송. 박카스 아줌마 집중 조명(원문 첨부) (0) | 2015.11.03 |
"권력, 금력, 지력 있는 자 모두 썩었다...한국 총체적 위기" (0) | 2015.11.03 |
한국사회의 갈등, 그 원인과 해법을 논한다 (0) | 2015.11.01 |
복지갈등과 그 해소책 (0) | 2015.11.01 |