毎日新聞
抑制された姿勢を維持してほしいと切に願う。
韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領がきのうの光復節に行った演説である。日本に対する直接的な批判は避け、「日本が対話と協力の道に歩み出るなら我々は喜んで手を取る」と呼びかけた。
少し前まで強い言葉で非難し、反日感情をあおっていたのとは対照的である。抑制されたトーンが貫かれたことは少なくとも評価したい。日本の植民地支配からの解放を祝う記念日だけに、対立をエスカレートさせる懸念が出ていた。
演説の中心は、経済を軸に強い国づくりをしていくという構想を示したものだった。事前に専門家や政界から聞き取りをしたところ、経済問題で前向きなメッセージを出すべきだという意見が多かったという。
日本の対韓輸出規制や米中貿易戦争の長期化で、国民の間に不安が広がっているためだろう。日韓の民間交流にまで影響が及ぶ現状は、望ましくないという内外の声にも配慮したとみられる。
この日、文氏は東京五輪に触れ、「共に繁栄の道に進む絶好の機会だ」と期待感を表した。そうであるならば、日本が掲げる東日本大震災からの復興という理念に水を差すようなことは慎むべきだ。
韓国外務省は東京電力福島第1原発の汚染水問題について、日本に揺さぶりをかける動きを見せる。国民感情を理由に汚染水の管理計画などについて情報公開を求めるという。
また、韓国政府は日本への事実上の対抗措置として日本を輸出管理の優遇対象国から除外する考えを表明した。相互に報復し合う悪循環に陥っては、両国ともに損失が大きい。経済面の影響に加え、国際社会からも冷ややかな視線が送られている。
韓国では、この日を境に秋の外交シーズンに向けて対日関係改善を模索する傾向がある。文氏は引き続き冷静な対応に努め、またそれを国民に呼びかけてほしい。
日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の更新期限は来週に迫る。岩屋毅防衛相は文氏の演説に関し「一時期に比べるとモデレートされた(穏当になった)」と述べた。 双方にとって不可欠なパートナーとの認識を持ち、政府間のさまざまな協議を活性化させてほしい。
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