日本, 韓.日 關係

日韓境界人が見たコロナ対策「日韓格差」

이강기 2020. 3. 1. 22:07


日韓境界人が見たコロナ対策「日韓格差」

一市民からみて日韓コロナ対策には大きな差がある。韓国の方が遥かに民主的で健全だ


藏重優姫 韓国舞踊講師、日本語講師

 日本では自民党の杉田水脈衆院議員らの政治資金パーティーが行われたという。韓国ほど危機感が無いのか?! 韓国に住んでいると、一連のコロナ19を巡る対策について、日本の政治家や官僚の動向に驚愕する事ばかりだ。韓国だったら、この時期に、立食パーティーなんぞする政治家は、即バカ扱いされ弾劾される。


 日本には、日韓を比較して韓国の方が優位に立つ状況の場合、嫌悪感を示す人がいる。私は、身をもって感じているので、あまり、韓国の方が凄いぞ!とは表立って言わないようにしている。日韓境界人として、両国の悪口を言いあっている状況ほど、悲しいことはないからだ。


 だが、わが国日本だからこそ、口を開かざるを得ない。この期に及んで政治家があまりにも無知で責任感が無く、政治をする資格さえないからである。


 コロナ19に関しては、はるかに韓国の方が民主的で健全である。一市民として、この間、両国を見てきたが、両国の対策には、あまりにも差があり、私もこの場を借りて、日本に苦言を呈したい。

拡大韓国・ソウルの延世大学構内では韓国語に加え、英語や中国語でも新型コロナウイルス感染の予防を呼び掛ける横断幕がかかっていた。学生はほぼ全員マスクをしていた=2020年2月27日


韓国の「即対応」

 最近の韓国でのラジオは、MCのこんなコメントから始まった。


 毎日、テレビで見るチョン・ウンギョン疾病管理本部長は日ごとにやつれ、白髪が一挙に増えたように見え心配です。彼女は、毎日コロナ19に対する状況をあるがまま伝え、そこには、政治的主張も政治的策略も無い。ただありのまま伝えるだけです。彼女は、弁当も移動中の車両の中でとり、一日1、2時間しか寝てないと言う情報も伝え聞く。彼女の姿勢に尊敬と拍手を贈る一方で、政治家たちは選挙を前に、この事態さえカードに使っていることにとても腹立たしく思います。


 もちろん、この事態を利己的に利用する韓国の政治家も最悪だ。ただ、この時期に立食パーティーを催す政治家は韓国にはいない。


 数日前の韓国のラジオは、こう呼び掛けていた。


 大邱(テグ)では、賃貸主の相次ぐ値下げが行われているそうです。20%割引、3か月間家賃をもらわない、など市民の工夫と努力がうかがえます。ただ、このような市民の対応だけに任せておいてはいけません。現在、自営業の人たちの抱える困難は相当なものです。政府も前に出るべきです。今は、(政策を)締める時ではなく、緩める時なんです。


 長引く経済、社会の停滞を予見して、市民も動き出している。


 このコロナ19をめぐり、この1か月、韓国では「即対応」が見えた。


 大邱に対して「大邱コロナ」「慶北コロナ」などの差別的な表現が出現すると、即、大邱市長がそのような差別発言には断固立ち向かうと宣言。大邱は今、このような対応をしているとの風評被害を食い止めるブリーフィングを行った。


 各道の道長が朝からそれぞれ、どのような状況でどのような対応をする等々、コロナ19に対する韓国政府の対応は、毎日、大なり小なりブリーフィングの嵐だ。


 この事態に乗じて、インターネットで偽情報を流す者が出れば、即、政府がブリーフィングをして法的処置を下すと声明を出す。マスクの大量購入を厳重に監視し厳罰と処す等々、行政は一々対応している。


 私の近くのダイソーでは、マスクを一人一回3枚までとして売っていた。政府の声明を背景に、巷にもすぐ反映されていることが身近に伝わる。


「いきなりの休校宣言」じゃない

 また、韓国ならではだな、と思ったのが、どこの自治体で何人の感染者が発生したのか、さらには感染者の行った所が一目で分かるアプリの登場だ。


 京畿道の高陽市では、ドライブスルーのように車を降りずにウイルス検査ができる所が設けられた。発生から一か月以上も経つと、ウイルス感染に対する行政や民間の対策や対処は様々だ。

拡大ソウル郊外の高陽市では、新型コロナウイルスの検査にドライブスルー方式が登場した=同市提供



 韓国のインターネット社会の発展で、本当の情報も嘘の情報もすぐ露呈してしまうという背景もあると思うが、私個人としては、この間の韓国政府の対応を、ある程度評価している。残念だから、特に日本とは対照的だ。


 韓国人のインターネット社会は、偽情報が流布し悪徳業者がすぐに登場する半面、政府も即行動に移らざるを得ないという側面を作り出しているのかもしれない。ワイドショーではないコロナ19関連の最新ニュースが増え、「感染者数」「死亡者数」「検査中」「完治」の数がテレビの上の方に小さく表示されていたりする。


 韓国のこのような対応は、決してコロナ19を大げさに騒いでいるのではない。一々、情報を公開することによって、市民は政府の対応にある程度の信頼を抱き、その情報に従い、自分たちのできることを模索している。


 日本では、学校が休校することになり、急な政府の要請に非難が殺到しているようだ。


 韓国も休校しているが、少なくとも、その前段階の市民に対する情報提供に差があり過ぎる。韓国では自治体から、行政から、大統領から、毎日ブリーフィングの嵐なのだ。


 少なくとも、いきなりの休校宣言ではなく、現在、私の子どもは、小学校の学童保育で見てもらっている。政府は休業を要請する代わりに、助成金を支給する対策も練っている。政府の速い情報提供が、市民に対処する時間をある程度与えていると考えられる。


 昨日、夕食をとりに食堂に入った。普段は賑わう食堂がガラガラだった。私の仕事場であるカフェも最近は空いている。


 現在のところ、塾も無期限休み、図書館、体育館、教会も門を閉める。韓国の社会は自粛、委縮、停滞しているのは確かだ。


 IMFの時に、一瞬にして町から車がなくなったのを彷彿させた。韓国市民の動きは速い。


 ただ、IMFの時も1、2週間くらい過ぎあたりから、ちょくちょく車が走り出した。やはり、車の無い生活は不便だ。正直だと思った(『思った事をすぐ口に出す韓国の「伸びしろ」』参照)。



自己管理や危機管理意識の高まり

 さて、今回の「停滞」はどのようにほどけていくのか、興味深く観察している。


 私のアパートのエレベーターには手を消毒する消毒剤が設置された。飲食店や学校にも必ず、手の消毒剤が置かれており、感染を防ぐための心得などがイラスト付きの説明と一緒に張られていたりもする。


 政府は正しい情報や状況を逐一提供し、市民も、感染を怖れるより、予防しながらの生活を模索しているように感じる。市民の意識も、他人に対する配慮のためのマスク、手の消毒など、自己管理や危機管理意識が高くなっているのを感じている。


 今後もウイルスは、コロナ19の他、新種が出るのは必至だ。ワクチンに頼る手段では後手に回るのだから、出来るだけ日常生活を保ち、経済を維持するために、自分がかからない、相手にうつさないを基本とする行動パターンが人々に定着するしかないように思う。


 韓国は、数年前のMERSウイルス患者が出た時の教訓が確実に生かされている。これからも人類の敵となるであろうウイルス感染に関して、今回の事態で、またウイルス感染に対する市民意識を向上させることであろう。


 恐怖は、知らないからこその恐れから膨張する。そのため、政府の情報開示は必至である。ウイルス感染に真っ向から対処できる国や市民意識。次の新種ウイルスに速やかに適切に対応できる国。果たして現在の日本の政治家や官僚にそれを期待できるのか。