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21世紀は本当にアジア・アフリカの世紀となるのか~コロナで拡大する国際格差

이강기 2020. 11. 3. 23:36

21世紀は本当にアジア・アフリカの世紀となるのか~コロナで拡大する国際格差

 

 

榊原英資 (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

朝日新聞

2020年11月03日

 

 

 

 

 

 国際通貨基金(IMF)は10月13日、恒例の「世界経済見通し」(毎年4月と10月に発表)で2020年の世界経済の成長率を上方修正した。上方修正といっても、マイナス4.4%なのだが、6月のマイナス5.2%からは0.8%の増加という事なのだ。

 

 アメリカはマイナス4.3%に修正(6月時点より3.7%増)、ユーロ圏はマイナス8.3%(1.9%増)、日本はマイナス5.3%(0.5%増)という予測になっている。いずれもかなりのマイナス成長だが、6月時点よりは良くなっている。中国は1.9%のプラス成長と、6月より1.0%成長率が増加している。

 

 マイナス幅は減少したものの、2008年のリーマン・ショック後の2009年(マイナス0.1%)に比べると、マイナス幅は大きく増大している。それだけではなく、新型コロナウイルスの感染拡大によって巨額の経済損失が重くのしかかり、今後数年間は成長率の鈍化が続くと見ている。

ETAJOE/Shutterstock.com

 

 

 IMFによると、2020~21年の経済損失は11兆ドル(約1160兆円)とされ、この額は日本のGDP約500兆円の約2.4倍にもなるという。更に、景気減速による失業や破綻、債務の拡大によって2020~25年の6年間で経済損失は最大28兆ドル(約3000兆円)に達する可能性があるとの試算だ。3000兆円というと日本のGDPの6年分ということになる。

 

 IMFの見通しは、今年はマイナス成長となるが、来年は財政出動とワクチン普及の効果によってプラス成長となり、成長率はコロナ前の2019年を上回るとしているのだ。

 

 しかしながら、成長を引っ張っているのは中国(2021年8.2%)であり、日米欧などの先進国は2019年比では、2%低い成長という予測。因みに、アメリカ3.1%、ユーロ圏5.2%、日本2.3%との見通し。

 

 

途上国で拡大する感染

 

 問題は、コロナウイルスの感染が2021年にかけて収まっていくかどうかだろう。

 

 2020年10月末の時点で、世界の感染者数は4395万人、死者数は116.7万人に達している。そして、今まで感染者数の多かったアメリカに次いで、インド、ブラジル、ロシアなどの途上国の感染者数が急速に増加してきている。WHO統計によると、地域別では中南米が1102万人でもっとも多く、これに次いでアジアが9月18日に北米を抜き1000万人を上回った。

 

 確かに、先進国では財政出動とワクチンの普及で感染症は収まって行くのかもしれないが、経済力が相対的に弱い途上国が先進国同様に回復基調に入っていくかどうかは定かではない。累計感染者数でも10月末の時点でインドが799万人、ブラジルが547万人とアメリカに迫っており、累計死者数でも、インドは12万人、ブラジルは16万人に達している。

 

 コロナウイルス感染に対処する医療制度・設備の整っているアメリカなど先進国と、その分野で遅れている途上国の格差が更に拡大していくのではないだろうか。

 

 このところ、経済成長では中国やインドなどの新興市場国が高い成長率(2010~2019年の中国年内成長率の平均は7.56%、インドのそれは6.98%)を示していたが、コロナウイルス感染の影響で2020年は中国の成長率は1.85%、インドの成長率はマイナス10.29%まで落ち込んでいる。アフリカ諸国でもガーナが0.93%、ウガンダがマイナス0.29%、エチオピアが1.95%迄成長率を落している。

Mukurukuru Media/Shutterstock.com

 

 IMFは、世界経済は回復基調にあるとしているが、こうしたアジア・アフリカ諸国が順調に成長率をかつてのように高めていけるのかどうかは必ずしも定かではない。20世紀、そして21世紀はアジア・アフリカの世紀といわれていたが、それがかつての予測通り実現するのかどうか、不透明な状況になってきている。

 

 

医療の充実なしに経済を立て直せるのか

 

 IMFは、世界経済見通しで、低所得途上国は2021年には成長率を4.9%まで戻すとしているが、果たしてナイジェリアや南アフリカなどのサブサハラ・アフリカやサウジアラビアなどの中東、中央アジアの国が順調に成長率を回復していけるかどうかは必ずしもはっきりしない。医療制度・設備が充実していないこれらの国々が新型コロナ感染をしっかり克服して経済を立て直せるのか疑問無しとしない。

 

 ワールド・ビジョンが2020年9月下旬に「保険医療格差ランキング」を発表しているが、最下位はチャド、それにシエラレオネ、ギニア、マリ等アフリカ諸国が続く。ワースト10の内、7カ国はサブサハラ地域のアフリカ諸国。トップ10の内、9カ国がヨーロッパ諸国(フランス、デンマーク、ノルウェー等)となっている。

 

 新型コロナウイルスの感染の拡大は、むしろ先進国と途上国、特に低所得途上国との格差を拡大する可能性が高い。医療制度・設備が充実している先進国と、医療の貧しさが目立つ低所得途上国の差はかなり大きいものだろう。そして、この疫病の蔓延は両者の格差を一段と顕在化してしまうのではないだろうか。