韓国が国産ロケット初打ち上げ 軌道に乗せられず
産經新聞
2021/10/21 20:01
韓国・高興の羅老宇宙センターから打ち上げられた韓国の国産ロケット「ヌリ号」=21日(韓国取材団・共同)
【ソウル=桜井紀雄】韓国が独自開発した国産ロケット「ヌリ号」が21日午後5時、南部、高興(コフン)の羅老(ナロ)宇宙センターから初めて打ち上げられた。ロケットは高度約700キロまで達して衛星を分離したが、目標通りに衛星を軌道に乗せることには失敗した。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は同センターで打ち上げを視察後、会見で「目標に完全には達せられなかったが、最初の打ち上げとしては立派な成果を収めた」と強調した。
来年5月に次回の打ち上げが予定されており、韓国は衛星投入の成功を目指す。実用化に向けて2027年までさらに4回の試験発射を重ねる計画だ。
韓国は、1トン以上の実用衛星を自前で打ち上げる技術の獲得を目指しており、実現すれば日米中露や欧州連合(EU)、インドに次いで7番目となる。
韓国は13年、2回の失敗を経てロケット「羅老号」の打ち上げに成功したが、核心である1段目のロケットエンジンをロシアの技術に依存していた。ヌリ号は、設計から製造、テスト、発射まで全て韓国独自の技術で行われ、韓国政府は、ヌリ号の打ち上げを「宇宙強国」に向けた歴史的な一歩と位置づけてきた。
ヌリ号は全長47・2メートル、重量200トンの3段式ロケットで、液体燃料を使用。10年に開発プロジェクトがスタートし、1兆9572億ウォン(約1895億円)の予算が投じられた。開発には現代重工業など国内約300社から約500人が参加している。
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