ソウル近郊に「京都っぽいテーマパーク」が爆誕…韓国の若者が“日本風スポット”に群がる事情
12/19(日) 11:12配信
韓国政府は11月1日、「ウィズ・コロナ」を宣言した。コロナワクチン接種率が70%を超えたことを受けて、コロナウイルスとともに生きる方針を打ち出し、防疫制限を段階的に緩和する方針を発表したのだ。 【画像】韓国の若者に大人気…ソウル近郊にある「京都っぽい謎のテーマパーク」の写真を全て見る(42枚) ソウル市内の飲食店は夜10時までの営業時間制限が解除されて、24時間営業が可能になったし、野球場は満員の観衆が「コリアンシリーズ」を観戦できるようになった。その後の感染者数急増を受けて、12月18日から「ウィズ・コロナ」は中断されることになったが、防疫制限が緩和された直後は、週末になると有名な観光地は旅行客で溢れていた。
「コロナ禍が終わったら行きたい観光地」第1位の日本
一方で気軽に国外旅行へ行ける見込みはまだまだ立っていない。そんな現状に、もどかしさを感じている人たちも少なくない。 なかでも日本への旅行ができない韓国の若者たちは鬱憤が溜まっているようだ。 旅行関連のインターネットコミュニティを見ると、いつになったら訪日旅行ができるのかを尋ねる投稿が飛び交っているし、20~30代のインスタグラマーたちは訪日観光の思い出の写真を投稿している。韓国の旅行専門誌「旅行新聞」(2021年度)と日本の国土交通省にあたる国土交通部(2020年度)の調査によると、「コロナ禍が終わったら行きたい観光地ランキング」で日本が1位になっている。 そこで各航空会社は日本観光を楽しみたい若者向け商品を販売した。アシアナ航空やティーウェイ航空、エアソウルなどが日本行き「無着陸観光飛行」の運航をはじめたのだ。 仁川国際空港や金浦空港などを出発して、九州の上空を旋回したあと出発地に戻る便など、10万ウォン(約9600円)を超える価格設定だが、問い合わせが殺到しているという。
「まだ文在寅に利用されているのか」
2019年7月、日本政府が韓国向け輸出管理強化を発表すると、日本製品不買運動が韓国中に広まった。 「ノー・ジャパン」の拡大と歩調を合わせて文在寅大統領の支持率も上昇。政府与党やメディアはさらに「ノー・ジャパン」を煽り、訪日観光も忌避された。当時は往復10万ウォン以下で日本に行くことができる激安航空券も登場したが、利用する韓国人はほとんどいなかった。それがいまや韓国の若者たちは10万ウォン以上を支払って上空から日本を眺めるだけの「無着陸観光」を楽しんでいる。 自由を楽しみたい世代が、不買運動への参加を強要された上、続くコロナ禍で厳しい統制を受けてきた。二重苦を体験した若者たちは、もはや政治家の支持率を支えた「ノー・ジャパン」には興味がないと見られている。
インターネットやSNSで、日本製品不買運動を煽る投稿を見つけることは難しくなったし、ときどき目にする「ノー・ジャパン」を煽る投稿には「勝手にやれ」「まだ文在寅に利用されているのか」などと批判するコメントが返されている。 今や韓国の若者たちは誰の顔色もうかがうことなく「イエス・ジャパン」を宣言し、日本の雰囲気が感じられる飲食店や観光地を探し回っているのだ。
若者に人気のすき焼き専門店に行ってみると……
実際、インスタグラムで「日本料理店」と検索すると、ソウルをはじめ韓国各地の日本料理店の写真や動画が数え切れないほど投稿されている。韓国大手ポータルサイト「ネイバー」のコミュニティにも、韓国内の日本食レストランの情報が数多く掲載されている。 そこで筆者は「ウィズ・コロナ」が宣言された直後、多くの若者がインスタグラムに掲載していた大型ショッピングモール「コエックス」に隣接するすき焼き専門店「日常庭園」を訪れた。コース料理は2万ウォン(約1930円)前後で、他のメニューも決して安いとはいえないが、20~30代の若者で混み合っていた。 ここのウリは「わたあめすき焼き」。ふわふわなわたあめの上からタレをかけて溶けるのを楽しむ料理だ。2018年に日本ではやったこのメニューを韓国でも味わえるとあって、店は常ににぎわっている。若者たちは料理写真を撮るのに忙しく、日本での体験を思い出しながら、箸で卵を溶かして肉と野菜を頬張っていた。人目を憚ることなく、日本料理を楽しんでいるのだ。
新たな“日本風スポット”がオープン
ソウルから北へ車で約1時間半。京畿道東豆川(トンドチョン)市に新しくオープンした観光スポット「にじもりスタジオ」が賑わいを見せている。ここも日本の雰囲気が感じられる場所だとSNSで広がった。 「にじもりスタジオ」はもともと、ドラマや映画の撮影所として作られた。歴史ドラマで日本ロケを行うとスタッフの移動費がかかるので、東豆川から撤退した米軍の訓練場跡地に投資を募って建設されたのだ。江戸時代の日本の街並みを再現したという触れ込みだ。 ところがコロナ禍の影響で映画やドラマの撮影が少なくなって、撮影所の運営会社は収益が落ち込んだ。また、撮影所がある東豆川市も米軍が撤退して以後、地域経済が落ち込んでいる。新たな収益源を求める運営会社と観光の目玉が欲しい自治体の思惑が一致して、今年9月、京都の街並みをイメージしたテーマパーク「にじもりスタジオ」がリニューアルオープンした。 運営会社は、反日感情を憂慮して宣伝を控えたが、オープン直後の週末には300名余りが来場し、週末を重ねるごとに多くの若者たちが押し寄せている。 スタジオ内には大きな池や食堂と旅館などがあり、大型家具から湯呑みなどの小物まで、備品のほとんどを日本から購入したという。
着物姿で“日本”を味わう若者たち
入場料は2万ウォン。映画やドラマのオープンセットは、5000ウォンから高くても1万ウォンが一般的で、入場料が要らないところもある。それらと比べると割高だが、筆者が訪れた11月7日は駐車場が足りなくなるほどの賑わいで、来場者たちは入口の前からカメラやスマートフォンを構えて写真を撮っていた。 入口ゲートを兼ねている鳥居をくぐると、着物姿の若者たちが目についた。着物か浴衣と草履などの小物1式3万ウォンのレンタルで、着物レンタルは申し込んでから1時間以上、待たされるほど人気が高かった。
江戸時代なのに赤いポスト……?
スタジオ内には、ラーメンや天丼などを販売するレストランがあり、長い行列ができていた。ラーメンは1杯1万2000ウォン。ソウル市内なら8000ウォン以下で食べられる。 売店で販売していた土産物もソウルで買えるものばかりで、ソウル市内の高級デパートと比べて5割以上高かったし、なかには倍額以上のものすらあった。 食事は高く、江戸時代をイメージしたといいながら赤い郵便ポストがあるかと思えば、神棚には仏器が並んでいる。稲荷神社を模した祠には猫と鼠の置物が鎮座していた。 旅館は宿泊者しか入ることができないので、中を見ることはできなかったが、1泊50万ウォン~80万ウォンという。
日本旅行は復活するか?
多くの韓国の若者にとって、日本は敵ではなく、自由に行き来していた頃を懐かしく思う国であり、コロナ後に観光旅行を楽しみたい国である。 しかし、文在寅大統領の任期が半年を切り、左派与党と保守野党の大統領候補が出揃ったいま、与党は依然として「ノー・ジャパン」にとらわれている。 与党・共に民主党から大統領選に出馬することが決まった李在明候補は、11月10日にソウル市中区のプレスセンターで開催された討論会で、日米韓3か国の軍事同盟に「反対」を表明した。 「米国と結んでいる軍事同盟に日本を入れることは慎重に考慮すべき問題だ」「日本は信じられる友好国か。独島(日本名:竹島)は韓国の領土だが、日本が問題を提起している」と発言した。 日本に敵対する姿勢を示してきた李在明候補が大統領になると、新たな「ノー・ジャパン」を産み出すだろうという専門家の指摘が現実味を帯びてくる。憚ることなく日本製品を購入し、日本観光を楽しみたいと公言する若者たちの声が、彼らに届いている様子はない。
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