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5年ぶりの政権交代で南北関係はどう変わるか【礒﨑敦仁のコリア・ウオッチング】

이강기 2022. 3. 16. 16:33

                     韓国大統領選で自らを支持する議員らの前で演説する尹錫悦候補=2022年2月24日、ソウル 【EPA時事】

 

5年ぶりの政権交代で南北関係はどう変わるか【礒﨑敦仁のコリア・ウオッチング】

 

 

礒﨑敦仁

Jiji Com, 2022年03月16日

 

 

 3月9日の韓国大統領選挙は、尹錫悦(ユン・ソクヨル)候補がわずか0.73ポイント差というかつてない超接戦を制し、5年ぶりの政権交代が決まった。

 

 朝鮮労働党機関紙『労働新聞』は、尹氏当選が決まった翌日、「南朝鮮で3月9日に実施された第20代『大統領』選挙で保守野党『国民の力』の候補、尹錫悦が僅かな差で『大統領』に当選した」とわずか一文で報じた。一方、5年前の大統領選挙で文在寅氏が当選した際には、その3日後に『労働新聞』が次のように報じていた。

              5年前の韓国大統領選で、出口調査結果を受けて笑顔を見せる文在寅候補=2017年5月9日、ソウル【AFP時事】

 

 「南朝鮮で5月9日第19代『大統領』選挙が実施された。


 今回の選挙は傀儡(かいらい)政治史上前代未聞の罪悪を犯した朴槿恵逆徒が南朝鮮人民の一様な要求によって『大統領』職を罷免されたことによって早期に行われた選挙であった。


 選挙には、共に民主党候補文在寅、国民の党候補安哲洙、『自由韓国党』候補洪準杓、『正しい政党』候補劉承旼、正義党候補沈相奵ら13人の候補が出馬した。


 今回の選挙では、共に民主党候補文在寅が41%の得票率で第19代『大統領』に当選した。」

 

 今回に比べれば論評付きで詳細に報じていたことが確認できる。南北経済協力の象徴だった開城工業団地の操業中止を決定するなど、強硬姿勢を一貫させた朴槿恵大統領に対して北朝鮮は反発を強めていた。任期を全うできずに弾劾、罷免された朴槿恵氏に代わって北朝鮮に宥和的な大統領が誕生することになったことを喜んだ様子がうかがえる。

 

対北朝鮮政策は強硬一辺倒

 

                     韓国陸軍の監視所から双眼鏡で北朝鮮側を見る尹錫悦氏=2021年12月20日、韓国・江原道鉄原【EPA時事】

 

 尹錫悦氏は外交・安保公約の中で、米韓同盟を強化して「北朝鮮の核ミサイルの脅威に強力に対応」するとしたほか、「北朝鮮の完全な非核化実現」、「『北朝鮮の人権財団』早期設立」などを掲げた。韓国保守勢力の典型的な主張と言えるが、金大中、盧武鉉と10年間続いた進歩政権から交代を果たした李明博政権の時よりもさらに強硬だと言える。

 

 李明博政権は、韓国哨戒艦撃沈事件や延坪島砲撃事件で人命の被害があっても開城公団の操業を継続したし、上から目線の奇策とはいえ、北朝鮮が非核化と開放を進めれば10年以内に1人当たり国民所得が3000ドルに達するよう支援するという「非核・開放3000」を掲げていた。また、核問題については段階的な解決を図る方針が明示されていた。

                                北朝鮮の砲撃を受け、煙を上げる韓国西方沖の延坪島=2010年11月23日【AFP時事】

 

 それに比べて、尹錫悦氏の対北朝鮮政策は、現段階では強硬一辺倒に映る。対話局面がさらに遠のくことは間違いなく、残り任期2カ月の文在寅大統領がよほど電撃的な動きを見せたり、尹錫悦氏が何らかの理由で大幅な政策転換を図ったりしない限り、南北関係が米朝関係に先行することは当分考えられない。

 

 ロシアによるウクライナ侵攻により、北朝鮮はますます国防力強化の必要性を実感したに違いないし、尹錫悦政権の誕生が決まって南北対話が遠のいたことから、核ミサイル開発の速度を上げてくるのは不可避な状況である。

南北軍事境界線を挟んで対峙(たいじ)する北朝鮮軍(向こう側)と韓国軍の監視所=2020年6月、韓国京畿道坡州 【EPA時事】

 

【筆者紹介】
礒﨑 敦仁(いそざき・あつひと)
慶應義塾大学教授(北朝鮮政治)
1975年生まれ。慶應義塾大学商学部中退。韓国・ソウル大学大学院博士課程に留学。在中国日本国大使館専門調査員(北朝鮮担当)、外務省第三国際情報官室専門分析員、警察大学校専門講師、米国・ジョージワシントン大学客員研究員、ウッドロウ・ウィルソンセンター客員研究員を歴任。著書に「北朝鮮と観光」、共著に「新版北朝鮮入門」など。

(2022年3月16日掲載)