러시아

戦争の愚、ロシアが身をもって学ぶ教訓

이강기 2022. 5. 19. 22:41

戦争の愚、ロシアが身をもって学ぶ教訓

大国が小国に侵攻する時には痛手を負うのが常

 
JB Press, 2022.5.19(木) Financial Times

(英フィナンシャル・タイムズ紙 2022年5月17日付)

ウクライナ軍によって破壊されたロシア軍の戦車や輸送車(5月16日撮影、キーウ近郊のブチャで、写真:ロイター/アフロ)

 

 

事態を読み誤ったのは、ウラジーミル・プーチンだけではなかった。

 

 ロシア軍が数日でウクライナを制圧すると踏んだロシア大統領の想定は広く共有されていた。

 

 ロシアがウクライナに侵攻すると正しく予想した欧米の情報機関も、プーチンが恐らく速やかな勝利を手に入れると考えていた。

 

 だが、戦争開始からほぼ3カ月経った今、ロシア軍は行き詰まり、多大な損失を被っている。

 フィンランドとスウェーデンが北大西洋条約機構(NATO)加盟を計画していることが確認され、ロシアの国際的な孤立は一段と悪化している。

 

なぜ勝てると思うのか?

 そして今、ロシア軍の無能さが盛んに取り沙汰されている。だが、ロシア軍の問題については特別な説明は必要ないのかもしれない。

 

 現代では、大国が比較的小さな国に侵攻した時には大抵、敗北を喫する結果になる。

 

 米国はベトナム、アフガニスタン、イラクで侵攻に失敗し、ソマリアとレバノンへの小規模な軍事介入の後にも屈辱的な撤退に追い込まれた。

 

 旧ソ連はアフガニスタンで侵攻に失敗した。そしてロシアが今、ウクライナで失敗しつつある。

 

 インドの学者プラタップ・バヌー・メータ氏が考察しているように、「非対称戦争で勝つことにかけては悲惨な実績しか持たないにもかかわらず、強国が勝てると考え続けるのは、国際政治の大きな謎の一つだ」。

 

 

賢明に戦争を避けてきた中国だが・・・

 過去40年間、戦争を仕掛ける衝動に抗ってきた強国の一つが中国だ。

 

 中国は1979年にベトナムを侵攻した時、メンツを失った。以来、中国政府は賢明にも戦争を避けてきた。

 

 経済発展に集中することで、中国は経済と社会を一変させ、米国に次いで世界で2番目に大きな力を持つ国になった。

 

 しかし近年、中国の政府と国民は戦場への一定の憧れを示してきた。

 中国は軍隊に多額のお金をつぎ込んだ。台湾の近くでの威嚇的な軍事演習が増強された。映画館では、戦争映画の人気が沸騰している。

 

 しかし、ウクライナでのロシアの経験は、短く、輝かしい戦争を戦う衝動に負けることは中国にとって悲惨なミスになることを示唆している。

 

 ひとたび銃撃が始まると、計画通りにことが運ぶことはめったにない。歴史学者のアダム・トゥーズは次のように指摘する。

 

「民族解放戦争を別にすると、1914年以来、先に動いた国にとって明確にプラスの結果を生んだ侵略戦争を一つでも挙げるのは難しい」

 

母国を守る側の強さ

 自国を防衛する国民と国は通常、侵略軍よりはるかに士気が高い。

 

 高い軍事力を持つというロシアの評判は、攻め込んでくるナポレオンとヒトラーから国を守る戦いで築かれたものだ。

 

 だが今はロシアが侵略者だ。

 

 

そして母国を守る勇敢な防衛者の役割、1812年と1942年にロシア人が担った役を割り当てられているのはウクライナ人だ。

 

 命をかけて戦っている国として、ウクライナはすべての成人男性に対して、国にとどまり、戦うことを要求できた。

 

 ロシアはまだ国民に対して、国が大量動員を必要としない「特別軍事作戦」を手がけているふりをしなければならない。

 

 戦争が長引くほど、侵略軍にとって事態が困難になっていく。

 米軍がイラクとアフガニスタンでやったように、たとえ首都を占領したとしても、外部の勢力が嬉々として支援する激しい反乱に見舞われる公算が大きい。

 

戦闘と目的が限定されている時は成功

 負け戦は国内を蝕む効果もある。

 アフガニスタンとイラクの戦争では1万5000人以上の米軍兵士と民間コントラクターが命を落とし、その2倍の人数がその後、自殺した。

 

 数十万人が負傷し、その影響は社会全体に波紋を広げた。

 

 大国が小規模な戦争で負ける原則の数少ない例外は、戦闘と目的が明らかに限定されている時に起きるようだ。

 

(ウクライナ侵攻を指すプーチンの不誠実な用語を使うなら)紛争が正真正銘の「特別軍事作戦」だったとすれば、成功は可能だ

 

 

1991年の湾岸戦争では、米国主導の連合軍が作戦の目標を、サダム・フセイン率いるイラクをクウェートから追放することに限定した。

 

 2003年の第2次湾岸戦争(イラク戦争)で米国がそれより大きく踏み込み、フセイン政権を倒してイラクを占領しようとした時、計画が瓦解した。

 

 一方、1999年にNATO(北大西洋条約機構)がコソボに軍事介入した成功例は、空軍力に基づき、コソボ人を支援するために行われたものだ。

 

侵略軍に不利になる軍事技術の変化

 マックス・ブートが最近、米ワシントン・ポスト紙で指摘したように、軍事技術の変化が今、侵略軍の形勢をさらに不利にしている可能性がある。

 情報技術とドローン(小型無人機)は、攻撃軍の動きをピンポイントで特定でき、位置を特定できたら、精密誘導ミサイルが敵を狙い撃ちできる。

 

 この技術の変化によって、首都キーウ(キエフ)と東部ドンバス地方の戦いでロシア軍が負った多大な損失に一定の説明がつくのかもしれない。

 

 ロシアが思い知らされているように、比較的小さく、弱い隣国に対する戦争でさえ、ひどく失敗することがある。

 

 大きな紛争は惨事を招く。名目上の勝利さえ、荒廃した状態の経済と社会を後に残すことがある。

 

 英国は第2次世界大戦で勝利を収めたが、その後、大国の地位を取り戻すことはなかった。

 歴史学者のA・J・P・テイラーは後に、次のように結論づけた。

 

「大国であることの目的は大戦を戦う力を持つことだが、大国であり続ける唯一の方法は大戦を戦わないことだ」

 

プーチンの戦争は過ち

 このパラドックスが今、ウクライナで全面的に展開されている。プーチンは10年に及ぶ軍の増強を指揮し、大国としてのロシアの地位を取り戻すために戦争を仕掛けた。

 

 ウクライナの戦争が終わった時、ロシアは逆に、以前より貧しく、弱くなり、著しく衰退している公算が大きい。

 プーチンの戦争は犯罪であるだけではない。過ちでもある。