社會

出生率で先進国最低の韓国、マスク氏の言に従えば日本よりも先に消滅?

이강기 2022. 12. 1. 16:43

出生率で先進国最低の韓国、マスク氏の言に従えば日本よりも先に消滅?

 

30代男性の未婚率は50%超、人口の自然減が35カ月連続する韓国の近未来

 
 
羽田 真代 フォロー
JB Press, 2022.12.1(木)
 
 
 
韓国における大学生の就職活動の様子。就職難も結婚しないの理由の一つ(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

(羽田 真代:在韓ビジネスライター)

 

 

 韓国メディアの毎日経済がミスリードと思われる記事を掲載した。「日帝強占期時にも耐えたのに今は『世界最下位』『韓国、このまま行けば…』」というタイトルの記事である。

 

 この記事は韓国の出生率の低さを問題視する内容だ。先に記事の内容をざっくりとご紹介しておきたい。

 

 統計庁の資料によると、韓国の出生率は毎年最低値を更新し、減少傾向を見せている。全世界で類例のない急速な少子高齢化を経験している韓国の状況を受け、医科大学の教授らが「大韓民国の出生率推移:動向および展望」という論文を発表した。それが、2022年11月号の「Journal of Korean Medical Science」に掲載されて注目を浴びている。

 

「大韓民国の出生率推移:動向および展望」は、統計庁の人口資料を分析したもので、1925年から2020年までの韓国の人口数、出生児数および出生率の変化を報告し、2060年までの推移を予測したという点で重要な意味を持つという。

 韓国は2020年の総出生児数が27万2400人と初めて30万人を割り込んだ。減少はさらに加速しており、2021年の総出生児数は26万562人と前年度に比べて4.3%減少した。2021年の粗出生率(人口1000人に対する出生数の割合)と、合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子供の推定数)もそれぞれ5.3と0.84で減少し続けている。

 

 研究結果には、「韓国の出生児数と出生率は日帝強占期から解放時期までは大きな変化がなく、解放後の朝鮮戦争期間には減少した」とある。以後、1960年代末から1970年代初めまでは大幅に増加し、1960〜1980年代に実施された産児制限政策で1980年代減少傾向に変化。1990年代産児制限政策が緩和され、しばらく増加傾向であったが、1997年のIMF通貨危機で急速に減少して、2000年代になってからは深刻な超少子化時代に突入したそうだ。

 

 これに対し、調査をした教授の1人は「韓国の出生率はOECD国家でも最も低い。人口減少の時代に入っており、今後の人口減少による人口学的な問題から社会経済的な様々な問題が引き起こされる深刻な状況だ。これを克服するために、政府も多角的な法案を用意し克服のための努力が必要だ」と説明した。

 

 ここで筆者が気になったのが記事のタイトル「日帝強占期時にも耐えたのに」と「今回の研究によると、韓国の出生児数と出生率は日帝強占期から解放時期までは大きな変化がなく、解放後の朝鮮戦争期間には減少した」という部分だ。

 

日韓併合時に生活環境が改善したという事実

 日韓併合は1910年8月29日から1945年9月9日までの約35年で、年代別の人口は次の通りである。

 

1910年:1313万人
1920年:1692万人
1930年:1969万人
1940年:2295万人
1942年:2553万人

 

 日韓併合時に人口が増加したのは、生活環境が劇的に改善されて平均寿命が延びたことと、幼児の死亡が減った影響が大きい。日本が韓国を併合したことによって平均寿命は24歳から45歳まで延びたのだ。

 

 だから、毎日経済の主張する「日帝強占期時にも耐えたのに」という表現は相応しくないように思う。“日帝強占期”の朝鮮が過酷な状況に置かれていたのであれば、出生率が維持されることは難しいだろうし、平均寿命もこれほどまで劇的に延びることがない。

 

「韓国の出生児数と出生率は日帝強占期から解放時期までは大きな変化がなく、解放後の朝鮮戦争期間には減少した」ということは、“日帝強占期”の暮らしがある程度韓国人にとって充実していたという証だ。

 話は変わって、韓国側が辛かったと主張する過酷な日帝占領期よりも、現代の方が生きることが難しいようだ。数字がそう表している。

 

 

日本統治時代よりも生きづらいのではないか?

 2021年、韓国の30代男性の未婚者の割合が史上初めて50%を超えた。年齢層の未婚率を見ると、83年生まれ(40歳):40%、88年生まれ(35歳):73%、93年生まれ(30歳):96%の水準である。女性30代の未婚率はやや低いが、3人に1人は未婚者だ。

 

 加えて、2022年11月23日に韓国統計庁が発表した「人口動向」によると、7月から9月期の出生数は前年同期比3.7%減の6万4085人だった。合計特殊出生率は前年同期より0.03低い0.79で、それぞれ比較可能な統計で7月から9月期として過去最低を記録したと発表された。また、死亡数が出生数を上回る人口の自然減は35カ月も続いている。

 

 カネがない、就職できない、借金がある、そもそも相手がいないなど、彼らが結婚しない、子供を儲けない理由は様々だ。だが、現在は“日帝強占期”の頃とは違って強制労働させられることもなければ、女性が慰安婦にされることもない。日本語を強要されることもなければ、姓を無理やり変えさせられることもないのだ。

 

 韓国内では、あまりの出生率の悪さに「33歳以上で出産の経験がない女性はみんな軍隊に入隊させろ」と、発言する国民がいるほどである。筆者は日本が統治していた時代を生きていないから客観的な比較しかできないが、今の世の中の方が窮屈な気がしてならない。

 

 

日本の前に消滅する国は?

 2022年5月8日に、米・テスラ社のCEOであるイーロン・マスク氏が「当たり前のことを言うかもしれないが、出生率が死亡率を上回るような変化がない限り、日本はいずれ存在しなくなるだろう。これは世界にとって大きな損失になる」と発言したことが世界で話題となった。

 

 このとき、韓国メディアは「日本はどうせ消滅するだろう(朝鮮日報)」「日本はどうせ存在できない(ソウル新聞)」「日本はどうせ消滅する国(ファイナンシャルニュース)」などと見出しを打って喜んでいたことを、この記事を書きながらふと思い出した。

 

 日本の厚生労働省が2022年6月に公表した、2021年における合計特殊出生率は1.30だ。6年連続の低下だそうだが、それでも韓国よりはいくらかマシな数字である。

 

 韓国メディアが書いた見出しのように、日本が将来どうせ消滅する国であるならば、日本よりももっと早い段階で韓国という国が先に消滅していることになる。

 日帝強占期に耐えて耐えて、出生率を保ってきた韓国人の先祖たち。彼らの努力は憎き日本よりも先に消え失せてしまうかもしれない。